2015 Fiscal Year Research-status Report
顔部加温がもたらす生体反応を活用した疲労対処効果の検証
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26670948
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
中吉 陽子 広島国際大学, 看護学部, 助教 (30638721)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顔部加温 / 疲労 / 温熱刺激 / 熱布 / 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度実施した予備実験の結果から1)被験者を模擬的疲労状態にさせる課題決定、2)顔部温罨法の方法決定、3)本実験を行った。 1)A演算(四則計算20分間実施)とBパズル(無地のジグソーパズル20分間実施)の条件下で生理学的指標(指尖脈波から解析した心拍変動、皮膚温度)、生化学的指標(唾液アミラーゼ)、主観的評価(疲労感を評価するVASスケール、POMS2日本語版)を測定し、疲労について自由記述による調査をした。実験結果を分析し、被験者を模擬的疲労状態にさせる課題はBパズルとした。予備実験では無地のジグソパズルを使用したが、被験者より「考えながら取り組むというよりも機械的な単純作業という感じ」との評価が目立ったため、本実験では、より思考しながら取り組める課題にするため風景画のジグソーパズルに変更し、苦痛の生じない範囲で、課題に取り組む時間を30分間に延長した。2)試行を重ね、安全でより心地よい温め方を検討した。熱布で温める顔の範囲は、前額部、眼部、鼻部を除く部位とし、その部位を覆うタオルを作成した。保温性を高めるために2枚重ねのタオルを2枚使用し、貼用中は熱放散を軽減するためにアルミホイルで覆った。熱布を当てる時間は、心地よい温度が保てる限界であった7分間とした。その他、熱布準備条件としてタオルの水分含有量、電子レンジによる加温方法を決定した。3)成人男性11名を対象に実験を行った。同一被験者に2条件の実験、すなわち、風景画のジグソーパズルに30分間取り組んだ後、椅子を倒し、リクライニングの体位で7分間過ごす(コントロール)場合と椅子を倒し、リクライニングの体位で顔に7分間熱布を当てる(介入)場合でデータを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者の募集に時間を要した。1施設では条件を満たす被験者数を十分確保できなかったため、2施設で被験者を募集し、確保した。そのためデータ収集期間が延長した。予定していた結果の分析まで進行せず、現在はデータ整理の途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度得たデータを整理、分析し、必要時介入方法を検討しながらデータを集積する。 学会参加などにより他の研究者からの意見を得、研究成果のまとめに着手する。
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Causes of Carryover |
平成27年度は被験者と実験補助者の人件費、成果発表に必要な文献購入費、情報・資料収集のための旅費を中心に助成金を請求した。平成26年度から平成27年度への繰り越し分(測定器が予定より安く購入できたために生じた)で衛生材料などを購入するも、差額が生じ、次年度への繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の主な支出は被験者と実験補助者の人件費、情報・資料収集のための旅費、論文・ポスター作成に伴う英文校正に充てる予定である。
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