2017 Fiscal Year Annual Research Report
The development using quantiative tool for radiodermatitis in cancer patients
Project/Area Number |
26670951
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (70455731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野戸 結花 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80250629)
井瀧 千恵子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00285008)
三上 佳澄 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40709143)
真里谷 靖 弘前大学, 保健学研究科, 客員研究員 (20239148)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線皮膚炎 / 放射線療法 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までは、乳がん患者を対象に放射線皮膚炎の皮膚状態の定量評価を行ったが、部位による違いを検討するため、今年度は、頭頸部がん患者を対象に実施し、定量評価によるアセスメントツールの有用性を検討した。皮膚状態の評価指標は角層水分量、皮膚表面温度、紅斑値、メラニン値とし、放射線療法開始前(以下、開始前)、15Gy、30Gy、45Gy、60Gy、照射終了時に測定した。その他のデータとして、有害事象共通用語規準 v4.0日本語訳JCOG版(Common Terminology Criteria for Adverse Events、以下、CTCAE)、対象者の自覚症状(掻痒感、熱感等)、皮膚に対する薬剤使用の有無・内容を電子カルテから収集した。 対象者は喉頭がんと診断され放射線療法を行った患者20名(男性18名、女性2名)であった。通常分割照射2名、加速多分割照射18名であり統計学的分析はできなかったが、通常分割照射のほうがやや終了時の紅斑値が高い傾向がみられており、今後も継続して調査する必要があると思われた。その他の指標での違いはみられなかった。加速多分割照射18名での開始前から照射終了時までの経時的変化の分析では、皮膚表面温度、メラニン値には有意差はみられなかったが、角層水分量は開始前と比較し15Gy 時のみ有意に上昇し、紅斑値は開始前と比較し、15Gy、30Gy、45Gy、終了時に有意に上昇した。 紅斑値は乳房照射の場合と同様の結果であったが、水分量は異なる結果がでていた。これは、今回の対象者は照射開始時から保湿クリームが処方され毎日塗布するよう説明されており、保湿効果により照射15Gyの時点で一度上昇したと考えられた。保湿剤塗布による影響は、健常皮膚で各評価指標を測定したところ、塗布前後で水分量のみ有意な差が生じたため、放射線皮膚炎の皮膚状態の定量評価には、皮膚表面温度、メラニン値、紅斑値が照射部位や薬剤の塗布状況に関係なく用いやすいのではないかと示唆された。
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