2015 Fiscal Year Annual Research Report
閉塞性動脈硬化症の下肢血行再建術後の新しいリハビリ看護ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
26670964
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 哲也 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (00461179)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 下肢血行再建術後 / リハビリテーション / 歩行歩数 / 血管内治療 / 身体活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、閉塞性動脈硬化症(ASO)に対する血管内治療(endvascular treatment: EVT)前後での身体活動量の推移と身体活動量に関わる要因について検討することである。Fontaine分類Ⅱ度のASO患者に対しEVTを施行し、なおかつEVT後に理学療法士による監視型運動療法を実施した22例(29肢; 男性17名、女性5名; 平均年齢76.0歳[60-84歳])。3軸加速度計を用いて、外来診察から退院後3ヵ月後まで歩数、時間Metabolic equivalents;METsを連日計測した。術前の平均歩数は2664(611―5404)歩に対し、術後3ヵ月は3393(567―7578)歩であり統計学的に有意差は認められなかった。22例中、17例は術後に歩行歩数が増加し、5例は減少した。入院中と退院後3カ月の歩行歩数を比較して、歩数減少群は歩数増加群に比べ有意に高齢であり(p<0.05)、また術後3ヵ月内での心血管イベント発生率が有意に高かった(p<0.05)。術後3ヵ月の平均歩数は両群間で有意な差は認めなかったが、最大歩行距離は歩数増加群(1646±856.2m)、歩数減少群(720.0±435.4m、p<0.05)と有意な差を認めた。Walking Impairment Questionnaireは退院後3ヵ月で歩数増加群(302.5±95.5)は歩数減少群(163.3±103.1、p<0.05)より有意で高値であった。EVT後、身体活動量が減少する症例は高齢であり、なおかつ術前より歩行能力が低く、3ヵ月内での心血管イベント発生率が有意に高かった。退院後に良好な予後を得るための目標値は導き出せなかったが、EVT後に歩行歩数が減少する症例は要注意であり、低侵襲なEVTであっても術後は身体活動量の定量的な評価によるフォローアップが必要である。平成26年度に加えて、平成27年度は対象症例の追加と3カ月間の追跡調査を進め、期間全体の成果として上記を取りまとめた。
|