2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relationships between progress of labor and mode of delivery and levator hiatus
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26670972
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春名 めぐみ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (00332601)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分娩 / 骨盤底筋 / 経会陰超音波 / 挙筋裂孔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、正常な経腟分娩の進行に重要とされる分娩の三要素(胎児,娩出力,産道)のうち、これまで客観的評価がされていなかった産道の一部である軟産道の客観的評価を確立するため、超音波診断装置を用いた骨盤底筋群の所見と分娩進行・分娩様式・産後骨盤底障害との関連を明らかにすることを目的として実施した。 評価指標として、経会陰3D超音波を用いて骨盤底筋群の一部である肛門挙筋が形成する挙筋裂孔に着目した。妊娠初期から後期までの挙筋裂孔の変化とその関連要因を明らかにすること、妊娠後期での挙筋裂孔と分娩進行や分娩様式との関連を検証すること、妊娠末期での挙筋裂孔と産後骨盤底障害との関連を検証することを目的とした。しかしながら、経会陰超音波を用いたプロトコールの作成や倫理審査通過までに計画以上の時間を要したため、妊娠初期からの縦断観察研究は十分なサンプルサイズが得られないと判断し、主目的である妊娠後期の挙筋裂孔と分娩との関連を中心としてデータを収集した。2016年2月より調査を開始し、141名から研究参加同意を得た。2016年11月までにデータ収集を終了した。 これらの調査の結果、挙筋裂孔と分娩所要時間との関連においては、初産婦の妊娠中の挙筋裂孔と分娩第Ⅱ期の長さには相関は見られなかった。しかしながら、挙筋裂孔と分娩方法との関連をみたところ、妊娠後期の挙筋裂孔の怒責時面積は緊急帝王切開分娩群の方が正常経腟分娩群に比べて有意に小さかった。またロジスティック回帰分析では、妊娠後期の挙筋裂孔の怒責時面積が大きくなると緊急帝王切開分娩となるリスクが小さくなることが明らかになった。こうしたことから経会陰3D超音波による妊娠後期の挙筋裂孔の評価は、分娩様式を予測する上で一助となる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)