2016 Fiscal Year Research-status Report
セクシャリティに関するスティグマからの回復プロセス支援プログラム
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26670975
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 ともみ 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (80262517)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セクシャリティ / スティグマ / 性感染症 / 性器ヘルペス / 反復人工妊娠中絶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、セクシャリティに関するスティグマからの回復プロセス支援プログラムをマンツーマンのメール交換での相談を行い、相談者の同意のもとオンライン上に相談内容を公開し、スティグマから回復するプロセスを支援することで、健全な保健行動をとることができるような情報提供を行い、その効果を判定するこである。 研究者はこれまでに性器ヘルペスを中心として、オンラインによる患者相談を行ってきた。そこでの問題点として、医学的な知識の提供はもとより、セクシャリティといったセンシティブな問題における対象者のスティグマ(社会的な偏見を感じ、自己に対して烙印であると感じること)は大きな心の傷となっており、それが修復されないときには自己の行為に罪悪感をもち他人に知られることを恐れるあまり、健全な受診行動や性行動が取れないと考えられた。そこで、今回、メール相談および心理テストを通して、スティグマからの回復を支援する看護介入を検討する。 セクシャリティに関するスティグマからの回復プロセス支援プログラムを富山大学倫理審査委員会(臨28-45)より承認を受け、平成27年12月より、HP(管理者、長谷川ともみ、ヘルペスもひとりじゃないよ、<オンライン>counseling-toyama.jpを立ち上げ、平成28年3月31日までに、3名の体験談と4名の相談を行った。 相談内容は個別性に富んでいるが、自己の性感染症やセクシャリティに関する何らかの問題が、他者への悪影響を及ぼさないこと、つまり、夫やパートナー、胎児、新生児、乳児などにうつらないことを最優先することが共通してみられており、他者への悪影響が本人のスティグマに影響していると考えられる。 今後、症例数を重ねて、患者のスティグマの核心がどこにあり、どの点を相談によって保証していくことが重要であるかについて、質的な分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成27年2月より病休を3週間とり、その後治療と仕事を優先にしたため、研究に関してのエフォートが低くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在HPの運営も順調であり、相談を丁寧に実施している。このペースで進行すると、ある程度のスティグマからの回復プロセス支援プログラムに関する質的分析は可能であると思われる。 相談内容は個別性に富んでいるが、自己の性感染症やセクシャリティに関する何らかの問題が、他者への悪影響を及ぼさないこと、つまり、夫やパートナー、胎児、新生児、乳児などにうつらないことを最優先することが共通してみられており、他者への悪影響が本人のスティグマに影響していると考えられる。 今後、症例数を重ねて、患者のスティグマの核心がどこにあり、どの点を相談によって保証していくことが重要であるかについて、質的な分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年の病休に伴って、研究の進行が遅れ、使用する金額が予定よりも少なかったため、次年度に使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究は、セクシャリティというセンシティブな内容に関する研究のため、患者の匿名性を重視し、面接や質問紙などの方法を取らず、Webサイトによる方法を取っている。 大学の学内LANへのサイバー攻撃などのWeb上のリスクを回避するため、学内LANとは別にWi-FiniにてHPを立ち上げて、専門的な知識やHPの更新などの手続きを専門業者に委託している。その分のWebサイト用サーバレンタル料や専門的知識の提供に対する経費や、セクシャリティカウンセリングに関する研究者自身の知識・技術の向上のための研修・学会参加等に使用を計画している。
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Remarks |
補助事業期間延長承認:平成29年3月21日
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Research Products
(1 results)