2014 Fiscal Year Research-status Report
家族機能不全と家族看護ニーズを診断するゴールドスタンダードの試作とその実証研究
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26670981
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
法橋 尚宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60251229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 順子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (50585057)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家族看護学 / 家族機能 / 家族機能尺度 / 家族看護ニーズ / カットオフ値 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究を進めるにあたって,基礎条件を再検討した.家族機能/家族支援ニーズ尺度であるSFE(Survey of Family Environment,家族環境評価尺度)では,家族機能得点(Satisfaction Score,SS)は夫婦ペアの間で有意差が認めらないという特徴があり,これを前提としている.しかし,教育期家族10家族(夫婦ペア)のデータを分析し,評価が乖離する要因は12要因,評価が一致する要因は8要因あることがわかり,これらは家族/家族員に関する要因,質問紙の設問に関する要因,家族全体の捉え方に関する要因に大別できた(この結果は国際ジャーナルに投稿し,アクセプト済み).これを加味し,SFEの日本語版と英語版とそのマニュアル,SFE/FSD-J(SFE家族属性モジュール),SFE/FS-J(SFE家族症状モジュール)などを作成した(いずれもバージョン2.2).また,大規模調査に備えて,オンラインで回答できるシステムを構築した.その後,倫理委員会で研究実施の審査,承認を得た,大規模調査の実施途中であり,すべての回収を待っている段階である.現状のデータに対して感度と特異度についてROC(Receiver-Operating Characteristics)曲線による解析を行った結果,家族機能不全を決める家族機能得点(SS)のカットオフ値は3.26であるが,今後さらなる検討が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を進めるにあたって,基礎条件を再検討する必要が生じたが,その結果,より精度が高いゴールドスタンダードの設定が可能になったと考える.大規模調査の実施途中ではあるが,仮のゴールドスタンダードが設定できたので,おおむね順調に研究は進んでいると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にしたがって,家族への半構成面接調査と家族エスノグラフィーにより,家族機能不全と家族看護ニーズを診断するゴールドスタンダードをフィッティングネス(fittingness,適合性)を確認する研究を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
大規模調査な質問紙調査を計画していたが,使用するSFE(Survey of Family Environment,家族環境評価尺度)などの基礎条件を再検討する必要が生じたため,解析の一部を次年度にまたぐことになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定どおり,質問紙調査の実施のために使用する.
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