2014 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の恥骨結合上端開角(PSA)の測定による妊娠中のリラキシン量推定の試み
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26670983
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
安達 久美子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30336846)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 妊娠 / 骨盤 / 恥骨結合上端開角 / リラキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の当初の研究計画では、1)妊婦の随時尿中のリラキシンの測定方法の確立のための試み、2)超音波装置を用いた恥骨結合上端開角(以下PSAとする)の測定法マニュアルの作成を目指していた。 当初の計画では、まずは、非妊娠女性10名程度を対象に、PSAを測定していくことで、測定法を確定していくこととしていたが、実際にPSAを測定していく中で、測定中の体位や、下肢の内転、外転、下肢の開き具合によって、PSAの測定結果が、異なることが分かった。さらに、骨盤の形状によって、同方向から、超音波による測定をおこなっても、誤差がでることがわかった。また、先行研究におけるPSAの値と比較を行ったが、全体的に、本被験者のPSA値が大きかった。これらの調査結果から、PSAの測定法のマニュアルを作成するためには、非妊娠女性におけるPSAの測定データをさらに蓄積するとともに、特に、複数の体位によるPSAの測定を行い、最も安定的に測定が可能な体位を明らかにすることが必要なことが分かった。 そこで、当初の研究計画を一部変更し、調査対象の非妊娠女性の数を増やし、また、複数の体位でPSAを測定した。さらに、骨盤全体の状況を把握するために、骨盤外計測を行い、データを収集し、測定法の確立について検討した。その結果、超音波によるPSAの測定にあたっては、①両恥骨結合上端部2点、②恥骨結合密着開始点、③恥骨結合が垂直に画像として確認できる点の3点をとらえた部分で測定を行うことが妥当であるとした。 今後は、この成果をもとに、一定の基準に基づいて妊婦のPSAを測定するとともに、平成26年度において、尿中リラキシン測定の確立までに至らなかったため、継続して検討を行い、妊婦を対象としたデータ収集を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究では、非妊娠女性のPSAの測定を10名程度行うことで、安定的なPSA測定法を確立することを到達目的としていたが、実際に、データを収集する過程で、概要に述べたように、さらなる異なる対象者からのデータの収集が必要であること、また、PSAの測定だけでなく、骨盤全体のデータ収集が必要であることがわかったため、非妊娠女性のデータ収集に時間を要した。そのため、当初の予定に比べ、研究の進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今回のPSAの測定基準を用いて、さらに、非妊娠女性のPSAのデータを蓄積し、未妊娠時のPSAの標準的な値を示すことを計画する。それにより、妊婦の計測データとの比較が可能になる。 妊婦のリラキシン量の測定と、PSAの測定を行い、リラキシン量とPSAの関係性について検討しいくため縦断的なデータ収集を行う。さらに、妊娠、分娩のアウトカムとの関連性について検討していく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた、妊婦のリラキシンの測定を実施しなかったため、それに関する支出がなかったことにより、当該年度の予算額より少ない支出となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リラキシンの測定については、高額な費用がかかるため、平成26年度の繰り越し金額と合わせて、次年度の研究費は、主に妊婦のリラキシン測定を、当初の予定どおり、20名×2回の測定に使用する。
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