2016 Fiscal Year Research-status Report
周産期の死を経験した母親・家族を社会全体で支えるシステムの実現可能性の検討
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26670985
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
米田 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (80326082)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 周産期 / グリーフケア / 死産 / 新生児死亡 / 連携システム / デルファイ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は周産期の死(死産・新生児死亡)を経験した母親・家族を社会全体で支える地域連携システムモデル案の有用性(妥当性)を検討することである。平成28年度は3年目であり、最終年度となり、9月に英論文での掲載となった。論文の概要は、退院後の周産期のグリーフケアと地域連携システムモデル試案19項目について、70%以上(中等度以上)の同意率を得たものは17項目(89.4%)であり、特に80%以上の高い同意率を得たものは13項目(68.4%)であった。このことから、13項目は妥当であるといえる。特に医療施設が核になって実施するグリーフケアと退院後の連携は高い同意が得られた。行政では、直接当事者に対応するより、医療施設・心理の専門家と連携するとともに、自助グループへ橋渡しし、自助グループの活動支援を行っていく方が妥当であると示唆された。研究の限界と今後の課題としては、支援者として関わる人材は、グリーフケアの知識がある専門性が高いスタッフであることがシステムの前提条件であったことより、グリーフケアに関わるスタッフの資質を高めることが重要であると考えられた。また、自助グループのみ全国を対象にしていたことより、地域の実情に合わせた調整は必要である。心理の専門家・僧侶・葬儀社からの意見を今回の結果には反映していないが、今回の調査対象者から関連職種として異論はなかったため、今後、具体的連携方法に対して、意見を反映していく必要があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた欧米のグリーフケアシステムを現地で情報収集する計画はモデルにできる国がうまくみつからなかったことと、論文校正に時間を費やしたたため、まだ実施できていない。海外での成果発表も来年度に予定されていることもあり、1年延長の手続きをした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、6月にカナダトロントで開催される第31回ICMで成果発表し、8月にはオーストラリアメルボルンでグリーフケアを含めたウィメンズヘルス研修受講が決定している。加えて、国内でグリーフケア専門士上級コースを取得する予定である。 これらの国内外の情報と心理の専門家・僧侶に対するインタビューデータを追加し、最終年度としての研究報告書をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に計画していた海外での情報集収集費用とインタビューに関わる費用が未使用であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外学会発表(カナダ・トロントICM)の学会参加費、グリーフケアを含めたウィメンズヘルスの海外研修(オーストラリア・メルボルン)の参加費、旅費等、グリーフケア専門士上級コース取得のための研修費と旅費、インタビュー調査に関わる費用(旅費・謝金・テープお越し)に使用する予定である。
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