2014 Fiscal Year Research-status Report
学童・思春期にある炎症性腸疾患患者および親の疾患の受け止めと療養行動
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26670991
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
込山 洋美 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (90298224)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | IBD / 学童思春期 / 子ども / 親 / 療養行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦で行われている学童・思春期にIBDに罹患した子どもと家族を対象にした看護研究に関連した研究について、文献検討を行った。 近年、子ども本人を対象とした研究が増加し、思春期にIBDに罹患した患者の療養行動をどのように行っているか、サポートをどのように捉えているかなどが質的に明らかにされている他、青年期にクローン病をもつ人たちが病気と向き合うまでに時間を要し、診断前後の時期の療養行動を親に任せているが、発症が自立の時期であるにもかかわらず、親から療養行動を引き継ぐタイミングがないことにより療養行動を遵守できないことが明らかにされていた。 量的な研究では、潰瘍性大腸炎の手術適応により大腸全摘術を受けた子どものQOLが手術前に比較して手術後にQOLが改善し、コントロール群との比較では優位差が見られなかったことが報告されている。カウンセリングを行いながらのQOL評価が必須であり、身体・心理両面からのアセスメントをするためにはいくつかのスケールを用いながら、専門的で継続した看護介入の重要性が示唆されていた。 QOLと療養行動との関連では、食事量の調整の有無と程度がQOLを左右していることが指摘されていた。QOLとソーシャルサポートが得られそうだと期待できる人の数との関連では、何かあったときに実行力のあるサポートや自分のおかれている状況に対し、理解を示してくれることを期待できる人が多くいるほどQOLが高いことが報告されており、子ども自身がサポートを求められる環境づくりの重要性が示唆されていた。 学童・思春期にある子どもたちが自分自身の疾病を理解し、適切な療養行動をとりながら自立していくためには、子ども本人の療養行動に家族がどのように関与するのかを明らかにすることも必要だと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外文献の入手に時間を要したこと、他業務との兼ね合いで研究時間の確保が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外文献に関する文献検討を行ったうえで、今年度計画である外来通院をしている学童・思春期のIBD患者とその家族へのデータ収集が行えるよう、組織及びデータ収集機関である病院倫理委員会に申請していく予定である。
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Causes of Carryover |
①文献取り寄せ、データ整理に関連した「謝金」、「その他」の使用額が少なかったため。 ②予定していた学会への参加が業務の都合で不可能となったため「旅費」の使用額が少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
不足分の海外文献の収集と検討及びデータの整理を行うことに使用予定。
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