2015 Fiscal Year Research-status Report
精神科救急入院料病棟における家族への退院支援ガイドラインの開発
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26671006
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田上 美千佳 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (70227247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新村 順子 公益財団法人東京都医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (90360700)
美濃 由紀子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (50318002)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精神科救急入院料病棟 / 精神科救急 / 家族支援 / 家族ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科救急入院料病棟(以下、スーパー救急)では、短期入院での集中した治療による早期退院が目標とされる。しかし、患者の治療のみでの退院では、退院後早期の再入院の可能性も高い。つまり、患者のみならず家族へのケアの充実も必要である。そこで、精神科救急入院料病棟からの退院及び地域生活に向けた看護支援体制の構築に寄与し、精神疾患患者とその家族の地域生活の促進、ならびに地域生活の質の向上と充実を図るためのケアの方策を提示することを目的として、主に下記の内容を実施した。 1.全体の研究計画の再策定と倫理委員会申請・承認手続き: スーパー救急病棟において、退院後の生活に向けた家族ケアの実態を把握するための看護師調査については、これまでの検討過程をふまえ、1の調査実施後グループ面接により、より実践的なプロトコールの策定を行う計画とした。 2.スーパー救急病棟の特徴をふまえた家族支援のあり方把握: スーパー救急病棟での治療ケアの状況ならびに家族支援のあり方を把握するために、対象医療機関への協力依頼、各協力可能機関における倫理委員会での審査・承諾、スーパー救急病棟を有する医療機関の管理者ならびに各医療機関CNS(精神看護専門看護師)・専門性の高い看護師への協力依頼、状況の聞き取り、ならびに実施方法の調整、研究協力者の依頼、家族会役員への協力依頼ならびに状況把握のための聞き取りを行った。対象機関からの承諾を得られない場合もあり、データ収集が困難であった。結果的に、2か所の対象医療機関の協力は得られ、各医療機関の特徴をふまえたデータ収集を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主な理由は、以下の3点である。 第1点目として、これまでの精神科救急入院料病棟を含む精神科看護ケアに関する全国でのナース調査の検討や考察をふまえて、計画の修正を行ったことによる。 第2点目として、倫理員会への申請および、各医療機関での倫理委員会を含む医療機関の協力の承諾・研究実施手続きに時間を要したことである。すなわち、①研究協力機関での内諾を得た後に研究代表者所属機関の倫理委員会での審査、承認後に、②研究協力機関での倫理委員会審査・承認を受け、③再度、研究代表者所属機関での研究協力施設での承認について倫理委員会での変更承認実施が必要であった。今後も研究協力機関の変更に伴い、②③を行う必要がある。 第3点目として、対象者のエントリーに時間を要しているためである。倫理審査においては、研究対象者が家族であるために倫理的観点での慎重で綿密な確認が必要であり、審査に時間を要したこと、対象となる家族に対しての初回依頼において、直接、研究者がアプローチすることができないことも、理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
①スーパー救急病棟入院中の患者をもつ家族へのインタビュー調査・分析を通して、精神科スーパー救急病棟で行なうべき家族ケアについて明らかにし、「家族に対する退院支援ガイドライン(案)」を試作する。 ②スーパー救急病棟に勤務する看護師および地域で精神障害者支援に携わる専門職者、看護ケアの受ける立場である家族、また当事者等を対象に、研究①の結果を元に作成した「家族への退院支援ガイドライン(案)」に関するグループディスカッションを行ない、国内外の先進的なケアの把握も踏まえて、臨床現場で使用可能な形に完成させる。
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Causes of Carryover |
計画の修正と、研究代表者所属機関倫理委員会ならびに研究協力施設での倫理審査に時間を要したため、調査が遅れていることによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
スーパー救急病棟の特徴をふまえた家族支援のあり方把握に関して、スーパー救急病棟に入院歴のある患者の家族を対象とした面接調査による「スーパー救急病棟における家族支援ニーズ」を質的に把握する。また、スーパー救急病棟に勤務する看護師当の専門職者および家族等を対象としたグループディスカッションを実施する。 主に、これらインタビューに関する費用(謝金・トランススクリプト作成)・分析のための費用、ガイドライ作成費用、関連する学会参加費用として使用する。
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Research Products
(1 results)