2014 Fiscal Year Research-status Report
粥の食事援助中の高齢者の誤嚥予防について-経時的な粥の液状化の原因と防止対策-
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26671009
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
加藤 圭子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90224500)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 誤嚥予防 / 唾液α-アミラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
H23-25年度の科学研究費採択研究である「要介護高齢者の誤嚥予防に関する基礎的研究」では、健康な若年女性10名を被験者とし、食事援助を想定して、唾液を経時的に白粥に滴下混入し、白粥の経時的な粘度と温度の変化を測定した。白粥は、常温で放置すると粘度が上昇するが、本実験では白粥の粘度は経時的に減少した。この結果、食事援助中の白粥の経時的な粘度低下には、被験者の唾液α-アミラーゼが白粥に経時的な混入することが大きく関与するとの示唆が得られた。 しかし、被験者が若年女性のみであったことから、高齢者男女を被験者とし、若年男女をコントロール群として、検証する必要が生じた。 そこで、本研究課題である「粥の食事援助中の高齢者の誤嚥予防についてー経時的な粥の液状化の原因と防止対策」の初年度は、健康な高齢者男女を被験者とし、健康な若年男女をコントロール群として、唾液中のαーアミラーゼ濃度を測定し、前研究の結果は対高齢者にも該当することを実証する実験を実施した。 健康かつ口腔内にトラブルのない20代女性11名、20代男性11名、60代女性11名、60代男性11名を対象に、同一条件下で、唾液を採取し、唾液αーアミラーゼ濃度の比色定量を行った。この結果、男女ともに、60代の被験者の方が、20代の被験者よりもα-アミラーゼ濃度がやや高い傾向が認められた。一般に、加齢によって唾液分泌量が減少するため、60代の被験者の方が、20代の被験者よりも、唾液α-アミラーゼ濃度がやや高い傾向が示されたと考えられる。 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前研究の結果が、高齢者に対してもあてはまることが、ほぼ検証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の被験者に対する唾液採取が各1回のみであったため、個人によるばらつきはないか、さらに検証を行い、より信頼性を高めたい。今年度は、各被験者に対して3回の唾液採取を行うものとする。
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Causes of Carryover |
*研究代表者の入院により、学会参加者が減少した。また、論文投稿や英文校閲の機会が次年度に持ち越した。 *科研研究担当の技術補佐員が中途退職したため人件費が少なくなった。また技術補佐員担当の統計解析等を次年度に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
*人件費:高齢者20名に対する唾液採取実験協力謝礼、研究補助者5名に対する謝金、学会参加費、科研研究統計解析担当の新たな技術補佐員の雇用。 *消耗品費:唾液α-アミラーゼ比色定量測定費用。
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