2015 Fiscal Year Research-status Report
地域における終末期ケアの質向上ツールおよび教育プログラムの開発
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26671029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田口 敦子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70359636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深堀 浩樹 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 准教授 (30381916)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 在宅看取り / 終末期ケア / 地域看護学 / ツール開発 / ケアの質 |
Outline of Annual Research Achievements |
訪問看護師を対象としたより効果的な在宅看取りの教育プログラム(以下、QI教育プログラム)を作成し、その効果を検証した。同時にQuality Improvementツール(以下、QIツール)を作成した。 1.QI教育プログラムの開発 A訪問看護ステーションに所属する訪問看護師19人を対象に、全8回で構成される在宅看取りのケアに関する教育プログラムを実施した。実施期間は2015年4~10月であった。教育プログラムの実施前後に、終末期ケアの知識・困難感・態度・実践の評価尺度(宮下ら,2014)、看取り期のケアの実践・困難感尺度(菅野ら,in submission)を用いた自記式質問紙調査を行った。その結果、結果:終末期において、知識は16.4から19.5と有意に上昇し(p=0.004)、困難感は51.3から46.8と有意に低下した(p=0.039) 。態度および実践については有意差が認められなかった。看取り期において、困難感は33.1から30.1と有意に低下した(p=0.035)が、実践については有意差が認められなかった。また、訪問看護師自身の看取りのケアに役立ったと回答したプログラムは、「痛みのマネジメント」「症状マネジメント」が他と比べて高く、「質の高いエンド・オブ・ライフ・ケア」「エンド・オブ・ライフ・ケアにおける倫理問題」は低かった。訪問看護師を対象とした本教育プログラムは、在宅看取りのケアの知識を習得し困難感を低下させる点で有効であった。 2.QIツールの開発 方法:医師、訪問看護師3~5名とフォーカスグループインタビューにより、必要な内容を精選し、ツールを作成した。訪問看護師が実践で使用できるよう、カンファレンスや訪問時にツールを使用し改善を重ねている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主に在宅版は福岡県の訪問看護事業所で、施設版は千葉の有料老人ホームで介入研究を行うことにより、QI教育プログラム、およびQIツールの効果検証を進めている。これには、訪問看護事業所、施設スタッフの協力なしには実施できない。新しいツールの導入に、スタッフの理解を得ることや、組織のシステムに合った導入の仕方を検討するのに予定以上に時間を要したため、計画が遅延してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、QIツールを確定させ、訪問看護ステーションおよび、施設に導入し、その効果および実現可能性を評価する。臨床上生じる問題点を整理し、QIツールおよびQI教育プログラムの有用性の評価と改善点の把握を行い、必要に応じて改善する。同時に、QIツールおよび教育プログラムの運営マニュアルを作成し、関係者への普及に努める。
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Causes of Carryover |
主に在宅版は福岡県の訪問看護事業所で、施設版は千葉の有料老人ホームで介入研究を行うことにより、QI教育プログラム、およびQIツールの効果検証を進めている。これには、訪問看護事業所、施設スタッフの協力なしには実施できない。新しいツールの導入に、スタッフの理解を得ることや、組織のシステムに合った導入の仕方を検討するのに予定以上に時間を要したため、計画が遅延してしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、QIツールを確定させ、訪問看護ステーションおよび、施設に導入し、その効果および実現可能性を評価する。臨床上生じる問題点を整理し、QIツールおよびQI教育プログラムの有用性の評価と改善点の把握を行い、必要に応じて改善する。そのため、フィールドへの交通費、QIツールの印刷費に使用する。また、同時に、QIツールおよび教育プログラムの運営マニュアルを作成し、関係者にその普及に努める。その際の交通費と、運営マニュアルの印刷費に使用する。
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Research Products
(4 results)