2014 Fiscal Year Research-status Report
災害看護のモデリング・アンド・シミュレーションの研究
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26671030
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
神藤 猛 千葉大学, 看護学研究科, 特任教授 (00450263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東原 紘道 東京大学, 地震研究所, 名誉教授 (10125891)
駒形 朋子(阿部朋子) 長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員研究員 (70361368)
望月 由紀 千葉大学, 看護学研究科, 特任准教授 (70400819)
臼井 いづみ 千葉大学, 看護学研究科, 特任助教 (80595984)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 災害看護 / モデリング&シミュレーション / IT |
Outline of Annual Research Achievements |
モデリング&シミュレーションは複雑なシステムを理解する手法と効果的な意思決定の方針及び戦略を構築する手法からなり、広く認知心理学、社会心理学、経済学、国際政治学等の社会科学の総合的知見に基づく知識科学を応用した理論である。本研究は、自然災害、国際紛争など災害看護の舞台における社会的意思決定が、得られた情報を基に意思決定ルールや方針を適用して行われ、方針自体も科学技術のみでなく制度、戦略、文化規範の影響を受け、社会の因果関係と経験の類型を意味するメンタルモデルにより支配されるものと観念している。 (1) 災害看護分析ツールの構築とモデル検証用シナリオの開発では、大規模自然災害から感染症パンデミックに至る多様なインシデントを対象に、システムダイナミックスを応用した、災害看護と自治体、警察、消防、医療、自衛隊等の協働連携をモデル化した。分析ツールとシナリオを開発し、災害看護の現場で必要となる情報の種類と量、現行の法体制下における行政機関の連携要領を、国内の自然災害の防災活動を事例に取り纏め実務作業に反映した。 (2) 災害看護の事例分析に基づく災害看護計画の策定では、傷病者の搬送計画について,戦略の5類型を基礎に目的価値の最大化を目指す意思決定の枠組を災害看護コーディネーターによる戦略的意思決定モデルとして構築し、モデリング&シミュレーションを活用した戦略評価の方法を論文にまとめた。計画策定の事例分析では、感染症の阻止活動を対象に、感染者の検出、救護、隔離の方法とタイミングなど災害シナリオベースの分析を行いIoT・ビッグデータ等の災害看護での活用を念頭に、病院、保健所、学校、交通機関、重要社会防護インフラなどの多くの主体で、防災の位置情報等を共有する仕組みを備えたSNS活用モデルと海外事例のシナリオ分析を調査し、社会システム全体の反応の妥当性・有効性を評価し実務作業に反映した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績(1)については、感染症を事例に、災害看護分析ツールの構築とモデル検証用シナリオの成果をまとめ学会で報告を行った。学術誌投稿を考えている。 研究実績(2)については、戦略的意思決定モデルを論文としてまとめ報告を行った。SNS活用のモデルも学会発表及び報告書作成を考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
システムダイナミックスによる総合的な防災システムのモデルを適用し、各種のハザードを含む緊急事態に対し、迅速な対応を可能にする災害看護の枠組を解析する。組織横断型の災害看護のコーディネーターを、単独の機関では解決出来ない問題解決を担った行政、警察、消防、医療、防衛の各機能の連携を図る意思決定主体として捉え、エージェントアプローチを基礎に、高度なIT技術を活用した今日の防災機関との協働の枠組を対象にモデルを適用し、災害看護計画の検証を行う。
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Causes of Carryover |
コピー用紙等事務用の消耗品の使用が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品に充当
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Research Products
(2 results)