2016 Fiscal Year Annual Research Report
Safety and health promoting factors among copper mine works in socially disadvantaged settings
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26671037
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大西 眞由美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (60315687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鉱山労働者 / 安全管理 / 健康管理 / 労働災害 / 健康被害 / ザンビア |
Outline of Annual Research Achievements |
ザンビア国コッパーベルト州およびノーザンウェスト州の銅山会社に勤務する労働者に対し、無記名自記式質問紙を用い、労働条件・環境等について調査を実施した。有効回答が得られた330人中、男性305人(92.4%)、ザンビア国籍324人(98.2%)、中等教育修了以上の学歴を有している者273人(82.7%)であった。平均月収は4,321クワチャ(約52,000円)であり、地下労働者(4,624クワチャ)か非地下労働者(4,158クワチャ)で統計的有意差は認められなかったものの(t検定、P=0.143)、地下労働に従事する者は比較的高い収入を得ていた。しかしながら、正規雇用者(4,727クワチャ)と非正規雇用者(3,679クワチャ)では平均月収に統計的有意差が認められた(t検定、P=0.001)。 労働形態に関わらず28.1%の労働者は、粉塵、騒音、作業場の高気温、工場内の不衛生な飲料水等の理由で労働環境の安全性が確保されていないと回答した。また、29.7%の労働者は、落盤、爆発、作業機械の不具合・誤作動等の作業中の事故を経験していた。11.5%の労働者は、労働安全衛生に関する研修を受けた経験がないと回答した。 加えて、43.9%の労働者は上司から、26.7%の労働者は同僚から、なんらかの身体的・精神的・性的暴力を受けた経験があると回答した。 ザンビア国内において銅山労働者は収入面において比較的優遇された状況にあると言えるが、従事している作業内容や労働環境・条件のリスクの高さ、労働安全衛生教育機会、労働者の権利保障といったことを考慮した場合、ディーセントワークの達成には様々な課題があることが示唆された。
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