2014 Fiscal Year Annual Research Report
手がかり情報のやり取りでつながり感を醸成するアニマルコンピュータインタラクション
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26700015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 博樹 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教 (60610649)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 手がかり情報 / アニマルコンピュータインタラクシ ョン / HCI / 空間情報 / 野生動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「手がかり情報のやり取りでつながり感を醸成するアニマルコンピュータインタラクション」の実現を目的とする。従来のアニマルコンピュータインタラクションでは,ユーザーが実際の自然環境で感じる茂みのざわめきや動物の気配といった“手がかり情報”のやり取りが困難であった。そこで本研究では,A)実際に生息する野生動物の生態・手がかり情報をリアルタイムに取得するシステムB)ユーザーと野生動物の間の手がかり情報のリアルタイムなやり取りから,つながり感を醸成するインタフェース,C)醸成されたつながり感によるアニマルコンピュータインタラクションの有効性,を明らかにして目的を達成する。H26年度は、A)について、実際に生息する野生動物の生態・手がかり情報をリアルタイムに取得するシステムを構築するために、A1) 野生動物の手がかり情報検出のための野生動物の中距離接検知システムの構築およびA2)野生動物の存在情報に応じて観測システムをも動的制御する電源・情報インフラ基盤構築を行った。これにより、電源・情報インフラの存在しない野生動物の生息地に電源・情報インフラ機材や野生動物調査機器を準備し,代表者が事前研究で確立したa)野生動物の生態情報(鳴き声)のリアルタイム配信システムと手がかり情報のリアルタイム取得システムを統合構築を実現した。また、本技術を活用した「テレヤッホーシステム:遠隔やまびこ装置」を、2014年10月~11月に群馬県立自然史博物館第47回企画展「闇夜の動物たち」で発表したところ、約3万人の来客があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年度では、実際に生息する野生動物の生態・手がかり情報をリアルタイムに取得するためのシステム構築を行、手がかり情報の数値化ソフト開発や野外での評価実験を行った。そしてこれらの成果をとりまとめ、実際に査読付き論文・博物館展示・応用プロトタイプ(入選)として発表した。これらは、当初の計画通りに進行していることを示しており、計画に遅れはなく、順調に進展している。しかし、拠点側で”A2)部品を接続する電源,通信ケーブルの敷設”の作業が天候不順(雪)に伴う安全対応として一時中断した。
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Strategy for Future Research Activity |
B)ユーザーと野生動物との間のつながり感をリアルタイムに醸成するインタフェース 拠点にユーザーと野生動物との間のつながり感をリアルタイムに醸成するインタフェースを実装する。但し,プロトタイプは事前研究で整っている。まず、2014年で行う実施予定だった”A2)部品を接続する電源,通信ケーブルの敷設”の作業を行う。
B1)事前研究で開発・実証した静電容量型野生動物近接検知センサをさらに単純化し,基盤の観測拠点に配置する。野生動物接近情報は2014年度で構築した電源用ネットワークを通じ給電・データ取得を行う。得られた野生動物席接近情報はインタラクションのための手がかり情報だけでなく, 基盤と連動することで電源・情報インフラの制御として活用する。
B2)つながり感をリアルタイムに醸成するためのインタラクションシステムの構築については事前研究を参考に時分割多重化(マルチユーザー化対応)することで実現する。時分割多重化を実現するには、ネットワーク配信の遅延時間を固定化する必要があるため,SoundWire 技術によりIPv6 環境上でQos 制御したUDP ストリームによる音響リアルタイム配信技術を実装する。MTU,RWIN 値などを調整しネットワーク占有率を極限まで引き上げ,配信遅延の最小化とインタラクションの時分割多重化実現する方法を模索する。そのため本年度は静電容量センサ,ソフトウェア開発, 山岳地帯の工事費, システムの24 時間×1 年間の評価並びに利用ユーザー支援のための人件費を計上している。順調に進展しない場合はリアルタイム性を下げ難易度を下げる。
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Causes of Carryover |
しかし、拠点側で”A2)部品を接続する電源,通信ケーブルの敷設”の作業が天候不順(雪)に伴う安全対応として一時中断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度内に進める。春になり雪が溶けたので一時中断していた作業を再開した。
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Research Products
(5 results)