2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26700017
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉浦 裕太 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 特任助教 (40725967)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 近接エネルギー伝送 / 小型移動ロボット / 二次元通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本提案は、近接エネルギー伝送の考えに基づき、移動体に対してワイヤレスでエネルギーを供給することで、移動体を制御する試みである。
まずは、二次元通信シート上の移動体をカード型のインタフェースを用いて、移動方向の制御、またスピードを制御する方法を提案し、これを実装した。このカードインタフェースには導体を貼られている。この導体で二次元通信シートから移動体にあるアンテナから供給される電力の量を遮断、もしくは減衰させることで、結果的に左右の駆動モータを制御し、移動体の制御を実現した。
さらに、今年度は、絨毯などの毛を有する布(以下、被毛布)に対して、超音波集束装置で力を遠隔照射することにより、毛の方向を変化させることで、布面に描画することに成功した。被毛布は毛の方向によって光の反射が変化するため、濃淡が生じる。我々は複数の超音波集束装置により、異なる方向から毛に対して力を入射することで毛の角度を操作し情報の描画を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては、導体による移動体の制御を実現した。また、二次元通信シート以外のエネルギー伝送手法として、当初の計画にはなかった超音波集束装置に着目し、これを使って物体の形状を変化させることで、物体への情報描画を実現した。
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Strategy for Future Research Activity |
定在波の分布データベース構築:モデル化した二次元通信シートの定在波の分布と実際の分布では大きく異なることが予想される。そこで、もしモデルと大幅に異なる場合は、実測値から定在波の分布のデータベースを作成する。実測には、篠田らが利用した電磁波系を利用する。もしくは、独自の計測用のスキャナを開発して、データベース作成の効率化を目指す。 安全性検証:電磁波の漏れの影響による人体の影響を基準値と合わせて評価し,出力を調整する。 移動体の軌跡のシミュレーション:定在波の空間分布のデータベースから、図4のような移動体を特定の位置まで移動させるためのシミュレータを開発する。このシミュレータは、移動体の初期位置、目的位置、移動速度を入力パラメータとする。また、複数台の移動体を同時に制御するためのシミュレータを開発する。
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Causes of Carryover |
購入予定の物品が、手持ちの機材を組み合わせることで、同等のものを構築することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は高面積に敷き詰められる二次元通信シートを購入する。
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