2017 Fiscal Year Annual Research Report
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26700017
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉浦 裕太 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (40725967)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヒューマンコンピュータインタラクション / ユーザインタフェース / 二次元通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本提案は、近接エネルギー伝送の考えに基づき、移動体に対してワイヤレスでエネルギーを供給することで、移動体を制御する試みである。平成29年度は、平成28年度に構築した周波数掃引による二次元通信シート上の位置計測システムの計測解像度や精度の向上や受電アンテナデバイス回転の影響を確認した。実験では、300mm × 300mmの大きさに加工した二次元通信シート上で、受電アンテナをX-Yプロッタの先端に装着して動かし、電界強度マップを作成した。電磁波の周波数は2.20GHzから2.50GHzの間で0.01GHzごとに変化させる。この掃引を22回行い、また受電アンテナを12mmずつ移動させてデータを収集した。教師有り機械学習であるSupport Vector Machine (SVM)を用いて識別器を作成した。その結果、79.1%で受電アンテナが配置された平面上の位置をシステムが識別できることを確認した。このテストの中で識別を失敗したうち、60.7%はその隣接ポイント内の8点のうちのどこかで識別をしていることがわかった。受電アンテナデバイスの位置は同じでもその回転方向によって周波数掃引時の波形特徴が異なることがわかった。本年度はさらに、掃引の回数による精度の変化についても調べた。ここまでの成果を英語論文としてまとめて学会に投稿をしている。本年度では、これまで1つの発信器を用いていたが、複数の発信器を用いて、より特徴のある電界マップを構築できるシステムを検討した。さらに今年度は、柔軟で印刷加工可能な二次元通信シートやアンテナの試作を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度までの成果によって、高い精度で位置検出ができるシステムは構築できた。一方で移動体への実装については、検討は不十分であり、今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度までの成果によって、高い精度で位置検出ができるシステムは構築できた。今後は次の3つの項目に取り組む。(1)アンテナを当初の目的である移動ロボットに実装する。(2)移動体を目的の地点まで移動させるためのシミュレーションを実装する。(3)移動体の位置計測を行い、周波数シフト目的の地点まで誘導をする。
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Causes of Carryover |
次年度に複数の対外発表を予定しており、主にその渡航予算として使用する。またシステムの拡張を目的とした電子部品等の購入を予定している。
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