2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトマイクロバイオームによる疾患因子プロファイリング
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26700029
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00512310)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / メタゲノム / 種間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内を初め人体のあらゆる場所に棲息する共生微生物は、ビタミンや糖質など様々な生体内化合物を介して宿主と相互作用している。共生微生物叢のバランス変動が疾病の原因となりうることから、本研究計画の目的は、共生微生物叢からヒトに至るまでの代謝経路の探索と疾患の原因因子を発見するための技術開発である。これを実現するため、ゲノム、メタゲノム、メタボローム等の複数オミクスデータから、どの場所でどの生物種がどの代謝機能を担っているかを明確化し、ヒト-微生物間相互作用ネットワークにおける疾患因子をプロファイリングする。平成26年度は、ヒト腸内細菌叢におけるメタゲノムデータからの代謝ネットワークの再構築を実施した。約1千万にも上る腸内細菌遺伝子のアノテーションを実施するには計算コストが非常に膨大なものになる。そのため、KEGGで開発されているKAAS自動アノテーションシステムの新たな改良版を用い、大量に存在する腸内細菌メタゲノムデータにアノテーションを付与した。これにより各個人の腸内環境で、どのような代謝ネットワークが出来上がっているか推定できるようになったが、さらにその中での各微生物種が担う部分ネットワークを推定するために、微生物種間で相互作用に使われる遺伝子ペアとその代謝化合物の探索手法の開発を行った。また、ヒト代謝系ネットワークにおける翻訳後修飾等の役割についての進化的な解析も実施しており、腸内細菌叢からヒトまでの代謝ネットワークの繋がりについて研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記した研究計画に沿って、おおむね順調に研究は進められており、現在のところ、特に予想外の事態は発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、腸内細菌叢内だけでなく、それとヒトにおける代謝ネットワークを接続するための手法の実現に向けたプログラム開発を実施し、交付申請書に記した研究計画を推進する。
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Causes of Carryover |
次年度以降の人件費等として利用するため、本年度は利用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度での人件費等として利用する予定。
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