2014 Fiscal Year Annual Research Report
Si金属触媒焼結体を疑似廃Siモデルとしたブロモ化反応による廃Si再生法の開発
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26701016
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
友野 和哲 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (40516449)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 廃シリコン / ブロモシラン / 速度解析 / 流通反応装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコンインゴットからウエハーを製造する過程で,廃棄物シリコン(以後,廃シリコン)が排出される。廃シリコンには,切削工程時に混入する砥粒・摩耗金属・クーラントが含まれており,リサイクル方法の主流である逐次的に不純物を除去する方法では,砥粒や金属不純物が完全に除去できずに再生プロセスの確立が困難な状況である。 本研究では,廃シリコンに臭化水素を反応させることで,廃棄物からシリコン成分をブロモシランとして抽出回収することを目指している。そのため,廃シリコンに含まれる不純物許容濃度は低く,あえて金属不純物を添加することで,反応性の向上が期待される。さらに,ブロモシランは,常温常圧下で液体のため,ハンドリング性に優れ,輸送・運搬に利点があると考えられる。 本年では,シリコン(廃シリコンを含む)と臭化水素ガスを反応させる流通反応系装置を完成させ,ガスクログラフィーにより随時ブロモ化反応(ブロモ化反応による全ガス成分を検出できるようにガスクロカラムを選定した)を追跡できる設定とした。また,ブロモ化反応に供する廃シリコン(2種類)の各種分析(ICP-AES,SEM-EDS,FT-IR,XRD分析)を行った。現在,環境負荷低減のため,油性クーラントから水性クーラントへ変更が検討されている。提供された水性クーラント由来の廃シリコンには,これまでの油性クーラントのものに比べ,金属不純物の組成が異なっていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
入札の関係から,ガスクロマトグラフの納品および反応装置の完成が大幅に遅れた。ブロモ化反応は試運転しか行えず,系統的な研究データを得られなかった。一方で,情報収集に集中でき,これまでに山口県内の企業から主要な廃シリコンサンプルを得ることができた。近年,環境負荷低減から,シリコンインゴット切削時に使用されるクーラント成分が油性から水性に変化している。今回,提供された廃シリコンも水性クーラントを使用している。これまでに,主として不純物分析を実施した。先の研究報告にある油性クーラントと本研究の水死クーラントの廃シリコンでは,金属不純物の組成に大きな違いがあった。特に,シリコンインゴットをアルミニウム製台座に固定して切削するために,これまではアルミニウムが多く含まれているが,本研究の結果,アルミニウムはほとんど含まれず,切削方法に変化があることが分かった。 また,同時進行で得られるブロモシラン溶液を蒸留する装置を作製した。現在,反応装置に設置する方法を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
反応装置は完成し,ブロモ化反応を実施できる。当初の研究計画通り,初めに疑似廃シリコンによる系統的なデータを取得した後,実際の廃シリコンを用いてブロモ化反応を実施する。さらに,主目的はブロモ化反応の低温化なので,反応温度を主として進める。
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Causes of Carryover |
在庫不足のため,商品メーカーを変更したため差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は,平成27年度の直接経費に充てることとする。
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Research Products
(1 results)