2015 Fiscal Year Annual Research Report
雪上滑走型岩石なだれに関わる岩石と雪の相互作用の解明
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26702008
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 新太郎 北見工業大学, 工学部, 助教 (40584602)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地すべり / 崩壊 / 岩石なだれ / 地震 / 豪雪地帯 / 雪 / 雪崩 |
Outline of Annual Research Achievements |
雪上を長距離移動する岩石なだれ現象のメカニズムの解明のために,当該年度は昨年度から引き続き,3つの項目に分けた調査および実験を行うとともに,類似現象の事例収集を行った. 野外調査では,春季から,山岳地では初夏にかけて発生する斜面崩壊と雪上落下現象および,その時の雪の性質,崩壊した岩石の移動状態に関して各種雪物性調査手法を導入し,記録と分析を行った.これに関しては現在もその記録を継続中である. 屋外実験では,12月末と3月末に4回の雪上落下実験を行った.これらの実験では特に,岩石に雪を巻き込む場合の雪層の条件が判明しつつあるものの,昨年度再現できた,岩石を乗せた雪層の分離移動が雪上を移動する現象は再現できず,課題が残った.再現できなかった理由として岩石の落下速度や斜面の傾斜が十分で無かった可能性があり,このような実験によって長距離移動現象に迫れるより細かな再現条件が明らかになりつつあると考えている. 室内実験に関して,本年度は実験設備の整備のみを行った.新規に導入する実験設備は一定速度で雪と岩石の混合物質を低温室で回転させ長距離流動時の流れの変化を実現させようというもので,サーモカメラおよび光学カメラを回転槽内に設置するジグおよびロガー整備を行った.本実験は,次年度秋以降に実験開始する予定である.前述の野外実験で得られた全国各所の粒度の雪や氷河を想定した氷などを岩石に混合させ,強制的に流動させた場合どのように相が変化していくか解明できると思われる. 以上の調査及び実験とともに,大規模な岩石・雪混合長距離流れ現象が生じた2015年ネパール地震のランタン被災地の調査集会等においても情報収集を行い,これまでの調査および実験と比較するための情報収集も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に試験および調査データの取得がなされているため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は本年度までに整備された実験場および実験装置を用いて実験を行っていくとともに,成果の公表を逐次行っていく予定である.特に新しいドラム回転槽実験装置の導入によりこれまでに無い成果がもたらされると考えている.
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Causes of Carryover |
気候状況によって当初予定していた実験回数8回が4回となった.また試験地の途中整備が必要であることが判明したが,冬季に施工することが困難と判断されたので次年度の秋季に見送った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,秋季までに実験場の整備を行い万全を期すとともに,新たに生じた使用予定機器の大型装置の移動費用に予算を充当する.さらに非常勤技術員を雇用し,実験補助を行ってもらうことにより効率的な実験を行う.
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Research Products
(3 results)