2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト身体運動における多様なアキレス腱の機能特性の解明
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26702026
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
石川 昌紀 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (20513881)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アキレス腱 / オプティックファイバー / 超音波 / 骨格筋 / ランニング / ジャンプ / フィンランド / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究計画に沿って下記の研究の推進(1)と,来年度以降に予定していた研究の前倒し実験(2)を開始し,順調に研究成果を挙げることができた. (1)身体運動中の侵襲的アキレス腱張力測定と非侵襲的な超音波装置によるアキレス腱の張力-長さ変化の測定を可能にするシステム開発を行い,ホッピングやランニング中のアキレス腱張力と長さ変化のデータを測定した.測定データは,H27年度に行われる国際バイオメカニクス学会とヨーロッパスポーツ科学会議で報告する. (2)上記の研究開発が順調に進み,泳中の筋腱動態の測定が可能なシステム開発につながり,H27年度以降に予定していた測定システムの開発もH26年度に実施することができた.この研究成果は,H27年度中に国内・国際学術誌に投稿する予定である. 上記の研究成果によって,ヒトの走速度や足の接地動作の違いによって,接地前の事前筋活動の調整や腱の弾性利用の仕組みが明らかになった.これらの直接測定によって,これまで議論されてきた,陸上競技選手の接地動作が如何にあるべきかという問いに答えうる知見が得られ,一般専門誌を通して情報提供に努めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,身体運動中の侵襲的アキレス腱張力測定と非侵襲的な超音波装置によるアキレス腱の張力-長さ変化の測定を可能にするシステム開発を行なった.急激な円安の影響で,超音波装置の変更が余儀なくされたが,概ね順調に進展している.また,これらの測定システムを用いて,走運動中とホッピング運動中のアキレス腱張力と長さ変化の直接測定を行なった.これらの測定に関して,フィンランド ユバスキュラ大学のKomi教授とフランス マルセイユ大学のNicol教授に研究協力を仰ぐことができ,来年度以降の実施していく泳中の測定システムの開発にもつながった.これらの研究成果は,H27年度の国際バイオメカニクス学会で講演し,国際・国内学術誌への投稿準備を進めており,当初の計画以上に進展している判断できる.しかしながら,測定システムの追加検証を行う必要性があり.次年度以降に追加検証を実施していく.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画通り取り組む予定である.しかしながら,今回,日本で初めて開発した侵襲的アキレス腱張力測定システムを用いて日本人を対象と測定した結果,これまで明らかにされてきた身体運動中のアキレス腱張力パターンと異なる結果も得られた.この点に関しては,測定システムに問題がないか慎重に検証し,日本人特有の動き方や身体つきによる影響のなのか明らかにしなければならない新たな課題が見つかった.この点に関しては,H27年度に追加検証していく.
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Causes of Carryover |
順調に行えたH26年度の実験において,先行研究と異なる傾向を示すアキレス腱張力データが得られ,そのデータの信用性の確認を行うため,方法論の確証に時間を割いた.その結果,H26年度では十分なデータ数のサンプルが行えず,H26年度の測定をH27年度に実施することとした.H26年度に使用予定だった人件費・謝金の費用を,来年度に実施する追加測定とデータ分析にかかる人件費・謝金として繰り越すこととした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H26年度に使用予定だった人件費・謝金の費用を,来年度に実施する追加測定とデータ分析にかかる人件費・謝金として繰り越すこととした.
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