2015 Fiscal Year Annual Research Report
青壮年期からの運動器症候群予防に寄与する身体活動条件の解明と身体活動促進法の開発
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26702031
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
熊原 秀晃 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (40389367)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動生理学 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、青壮年期からの運動器症候群の予防を意図した、適切な身体活動の質と量ひいては身体組成(骨強度を含む)や全身持久力、下肢筋力といった健康関連体力の獲得を促す身体活動の強度や時間といった日常身体活動の条件を明らかにし、将来に亘る運動器症候群の予防に寄与する身体活動条件(運動条件)を担保した日常身体活動促進法の開発を目指す基盤的研究である。 本年度は、まず、前年度より継続して実施した予備的研究を完了し次のような知見を得た。青壮年女性における歩数の増加を目標とした身体活動支援は、中等度活動の増加もしくは座位活動の減少といった身体活動の促進効果が期待できるものの、血中乳酸閾値強度時間の十分な延伸ひいては全身持久力や下肢筋力を向上させる効果を有さないことが示唆された。ただし、注目すべき点として、乳酸閾値以上の日常身体活動時間の介入前後の変化時間と全身持久力の変化量に有意な正の相関関係を認めた。すなわち、前年度実施した横断研究の結果と併せて解釈すると、日常身体活動の質の変容が運動器症候群の予防とも密接に関連する諸体力に影響を及ぼす要因であり、血中乳酸閾値強度が至適運動強度と考えられた。このように、日常生活下における介入研究準備の一環として推進した本年度までの研究成果は、介入研究のプロトコルを確定する上でも重要な知見となった。次に、実験環境下における一過性運動負荷実験のプロトコル確定の為の予備的検討を完了し、研究倫理審査委員会にて承認を得た上で本実験を開始した。本実験データは、次年度に全ての測定が完了次第解析を行う。また、これまで実施した研究の一部について国内外の学会大会ならびに学術誌にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に完了を予定していた実験室環境下での運動負荷実験は、下述の実験実施との兼ね合いにより次年度へ継続することとなった。ただし、前年度より申請時の計画より前倒しして実施してきた青壮年女性を対象とした日常身体活動の量と質の関連性を検討する研究計画を完了させることができた為、研究計画全体の進捗に支障が生じないよう対応できたと考えている。さらに、これまでの研究成果の一部を学会大会ならびに学術誌にて発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、実施途中の実験環境下での一過性運動負荷実験を着実に遂行する。加えて、実際の日常生活下における介入研究を迅速に開始する。また、これまで学会発表した内容を中心に論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
本年度に完了する計画であった実験室環境下の運動負荷実験の消耗品費、血液分析費および人件費(実験協力謝金等)として予定していた助成金に繰越が生じた。また、国際学会発表の為の旅費が想定より廉価となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に当該実験を行うことで、運動負荷実験の消耗品費、血液分析費および人件費として計画的に研究費を使用する。また別途介入研究の開始や学会発表を含む成果報告も計画しており、必要な消耗品費、血液分析費、人件費および旅費等に研究費を活用する。
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Research Products
(5 results)