2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26702032
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
熊代 尚記 東邦大学, 医学部, 講師 (20535207)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝臓 / 脂肪蓄積 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年8月頃に医学部倫理委員会の承認を得て、臨床研究保険も契約した。人工膵臓を含め、各種必要物品をそろえた。高インスリン正常血糖クランプ法の実施場所として、当初我々の自由に使える第3臨床研究棟の研究室を予定していたが、医学部長や院長との話し合いの末、安全対策と限られたスペースの問題から、院内に時間借り場所借りでスペースを頂き、毎回物品を持ち込む形で始める事となった。検査スケジュールも特にMRI検査やDEXA検査の予約混雑の関係で設定が難しく、消化器内科の肝生検チームや放射線科との打ち合わせを積み重ねて、紹介受診から肝生検入院までの2か月ほどの予定を立てた。組織への脂肪蓄積を定量するために特殊な画像解析ソフトを吟味して購入し、研究助手も雇い入れた。 様々な困難を乗り越え、11月には第一例をエントリーし、無事各種検査を実施できた。 その後は着々とエントリー数を増やしており、現在半分ほどエントリーを終了したところである。高インスリン正常血糖クランプ検査用のグルコースの入手やその後の安定同位体の解析も、外注先と密に連絡を取り、順調である。 現在の課題は、予想に反して代謝性に良性の脂肪肝患者が多く、悪性の脂肪肝患者が少ないため、院内の患者検索ツールを利用してもう少し糖代謝が悪い脂肪肝患者をエントリーしていく予定である。 今後の研究の展開として、今年中には全エントリーを済ませ、来年早々にはマイクロアレイやメタボロミクスを含めた網羅的な解析を始め、来年中には学会発表や論文発表に漕ぎ付く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の2年間で被験者のエントリーと各種検査を終えて脂肪との共存を可能にする因子を同定する予定であったが、現在の所上述の通りエントリーは順調であり、来年早々には網羅的な解析に入る事が可能と見込まれている。 したがって、本研究はおおむね順調に進展しているものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は糖代謝不良の脂肪肝症例のエントリーを増やすべく、患者の検索を実施し、糖尿病内科、消化器内科にエントリーを呼びかけていく予定である。 一部、研究計画の変更として、当初筋肉生検を入れる予定であったが、上述のようにほぼ全てが新規の研究施設であり、倫理委員会の反発などによる研究開始の遅れを懸念して筋生検は見送る事とした。 次の研究では、本研究の実績を認めて頂いたうえで、筋生検を組み込むことが可能となるかもしれない。
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Causes of Carryover |
研究協力者の謝礼のため予算を残しており最終的に次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降、謝礼のため使用する。
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