2015 Fiscal Year Research-status Report
高揚感記録モバイルアプリ開発による新しい景観資源収集と観光客誘致の仕掛けづくり
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26703004
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
片山 めぐみ 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (40433130)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高揚感 / 景観 / モバイルアプリケーション / ICTシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度までに作成した、高揚感記録モバイルアプリケーション:『Emotion Graph』と旅行者が情報を投稿できる『景観体験サイト』から成るICTシステムを30名の被験者に利用してもらい、システムのテスト運用を行なった。テスト運用から、システムの改善点および、被験者が記録した景観データを抽出し、従来の旅行ブログとは異なるどのような景観資源が集まるか分析した。 『Emotion Graph』については、被験者が歩行中に記録作業を行うため誤操作が多く発生していたこと、また、設定時間の3分よりも長く記録したいという声が多かったことから以下の改善を行なった。①スマホ画面のレイアウトを見やすく修正、②撮影時間を無制限とする、③撮影時間延長によるデータ量増加を受け、本人による撮影以外の定期的な静止画撮影をやめる(「GOOD」「BAD」を押したときのみ撮影される)、等の変更を加えた。 『景観体験サイト』については、自身のデータ管理がし難いという感想が多かったことから、①地図上でマーカーを指すと記録日時が出るようにする、②特定の利用者のデータが検索できるようにする等の変更を加えた。 記録された景観資源は、従来の、旅先で撮影した写真を掲載するWEBサイトとは異なり、自宅近くの散歩道など身近な被験者のお気に入りの場所を紹介するような日常目線の景観が多いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、100人程度の限定で一般市民を募集し、本システムによってユーザーの使用がどの程度拡大するか社会実験を実施する予定だったが、システム修正の業者発注作業に時間を要し、実験期間を確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本システムによってユーザーの使用がどの程度拡大するか社会実験を実施し、収集した景観資源データおよびWEBの書き込み、ログデータ、アンケートデータを用いて、本システムが地域活性化の仕掛けとなり得るか分析する。具体的に、一定期間内における個人の利用頻度とユーザー増加数、他ユーザーの情報から誘発された行動頻度(旅行回数)から地域活性化の仕掛けとしてのインパクトを把握する。また、インパクトの背景として考えられる、主観的な体験の表現が実際の行動に与える影響に注目する。つまり、高揚感のグラフ化や高揚感の変化に則した書き込みがどの程度詳細に表現されるのか、どのような表現が他人に影響力をもつのか詳しく分析する。
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Causes of Carryover |
一般市民を対象とした社会実験が未実施であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
一般市民を対象とした社会実験の実施費用に充てる。
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