2015 Fiscal Year Annual Research Report
「空気」が金融市場に与える影響―理論と実験による検証―
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26705004
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| Research Institution | Osaka Sangyo University |
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Principal Investigator |
尾崎 祐介 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (80511302)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 社会選好 / 独裁者ゲーム / 実験 / 後悔理論 / 非対称情報 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な研究は以下である：１．独裁者ゲームにリスクを導入した実験が Brock, Lange and Ozbay (2013,AER) によって行われた。しかし、この実験の結果はリスク選好と（受け手がどのように見られたいか）という社会イメージの両方で説明ができる。そこで、これらの影響を切り離す実験を設計した。今年度は予備実験を進めてきた。追加的な実験の設計に時間が掛かってしまい、今年度中には、本実験を行うことができなかった。来年度は本実験を行うと同時にそれを論文としてまとめる予定である。２．本研究課題では、二変数関数で表現できる社会選好を分析することが目的である。行動経済学で分析される効用関数は同様の形式を持っている。今年度は、その一つである後悔理論を用いた理論的な研究を進めた。一つは日本の保険市場の説明を試みた論文である。この論文は投稿中で、現在、サードラウンドである。もう一つは後悔理論の枠組みで初期富の効果を確かめる論文で、第一稿を国際会議で報告した。来年度、何回かの報告を行った後、投稿する予定である。３．本研究課題では社会選好の金融分野への応用を念頭に置いている。それに関連して、企業が会計システムを通じて情報公開を行う時、望ましい規制のあり方について理論的な分析をした。この論文は投稿中で、現在、セカンドラウンドである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は二年目であり、いくつかの研究課題が論文としてまとめられ、国際誌に投稿している段階にある。おおむね順調に進展しているとして差し支えないと思われる。ただし、改訂要求のある論文を多く抱えている状況なので、研究成果物になるよう取り組む必要がある。同時に、いくつかの研究は準備中なので、それらの研究も進める必要がある。その意味で、三年目はそのバランスに気を付けながら、注意して研究を進めるようにしたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
来年度はリスクを伴う独裁者ゲームの本実験を行う予定である。また、それに付随したいくつかの実験も進める予定である。投稿に至っていないいくつかの論文があるので、それらを論文としてまとめ、順次投稿していく予定である。後悔理論の研究などを通じて、二変数の効用関数の理論的な分析能力を獲得したので、それを用いて、社会選好を表現する二変数関数を用いて貯蓄、ポートフォリオなど金融市場の分析に取り組みたい。また、最終的には、理論と実験をうまく合流させるようにする必要がある。その地ならしも行う予定である。
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| Causes of Carryover |
一昨年度末に体調を崩した。そのため、基本的に海外出張を取り止めとした。それが次年度使用額が発生した理由の一つである。今年度は慎重な対応をしたが、体調面の問題がなくなったので、来年度については、海外出張を予定通りに行う予定である。また、経済実験も追加の実験の設計に時間が掛かってしまい、本実験を行うことができなかった。それも次年度使用額が発生した理由の一つである。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に関しては海外出張に制限はないので、予定通りに海外出張を行う予定である。次年度使用額の一部は海外出張に使用する予定である。また、いくつかの経済実験も行う予定なので、その謝金や（手伝いをしてくれる学生の）謝金として使用する予定である。また、本務校における経済実験の環境を充実させるための環境作りを進める予定なので、それに対する支出も計画している。
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