2017 Fiscal Year Annual Research Report
「空気」が金融市場に与える影響―理論と実験による検証―
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26705004
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| Research Institution | Osaka Sangyo University |
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Principal Investigator |
尾崎 祐介 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (80511302)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 社会的選好 / 経済実験 / 独裁者ゲーム / 二変数効用関数 / 医療意思決定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な研究実績は以下である：１．昨年度から行っていたリスク下の社会選好を確かめる経済実験である。リスクを導入した独裁者ゲームを考えて、リスクがどのように社会選好に影響を与えるか実験を行った。今年度の経済実験で研究として十分なサンプルサイズになったので、それをまとめて論文にしていくつかの学会と研究会で報告した。そのコメントを受けて、投稿用の原稿を完成させて、来年度中には論文の投稿を行う予定である。２．二変数効用関数を持つ医療意思決定の問題を分析した。さらに、疾病の同時罹患に対して曖昧性も加えて、それが支払い意思額に与える影響について理論的に考察した。この結果をまとめた論文を国際学会で報告し、それらを受けて改訂の最中である。来年度には投稿用の原稿を完成させて、投稿する予定である。３．二変数効用関数を用いて、他人の消費など心理的な要素の不確実性がポートフォリオなどの意思決定に与える影響に関する分析を行った。この分析では、研究課題が想定した状況よりも一般的な状況の分析になっている。研究課題では、心理的な要素を他人の消費とすることで社会的選好が金融市場に与える影響を確かめることであった。この分析では、心理的な要素を特定する必要はないので、まずは一般形として分析を行い、その特別な場合として心理的な要素を他人の消費にした場合の議論を行う。分析に関しては終わった段階なので、来年度中はその結果を論文にして、いくつかの学会や研究会での報告をする予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、今年度が最終年度となっているので、実験と理論の論文については、今年度中に研究結果をまとめて、論文として投稿すべきであった。経済実験の環境整備などで時間が取られた部分があり、それらで研究の推進が少しずつ遅れてしまい、結果として最終年度にいくつかの論文が完成しない状況になってしまった。ただし、分析は終わっているので、あくまでも作業的な遅れであり、進捗の遅れは深刻なものではない。また、複数の研究が同時に分析が終わってしまい、分析を論文としてまとめる作業を同時並行で行うことになった。そのため、執筆が分散してしまい、結果として、論文としてまとめる作業が不十分になった面がある。一方、昨年度は三編の論文が刊行され、国際学会の研究報告が（共同研究者の報告を含めない形で）２回、国内での学会・研究会の報告が６回行った。そういった意味で研究成果は十分であったと言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は研究期間を一年間延長して、来年度も行うことになった。最も優先するのは、現段階で分析は終えたものの、その成果をまとめた論文が完成していない研究である。いくつかの研究については、複数の学会・研究会での報告を終えているので、それらについては投稿用の論文をまとめる段階である。また、他のいくつかの研究は報告などを行っていないので、それらについては初稿を完成させて、研究報告を行い、その後、投稿用の論文としてまとめる予定である。来年度に関しては、新しい研究を開始するのではなく、今までの研究成果をまとめるのが作業としては中心となる。しかし、この研究課題を発展形としていくつかのアイデアがある。それらについての萌芽的な今年度に行い、将来の研究につなげていきたい。
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| Causes of Carryover |
最終年度中にまとめる予定であったいくつかの研究がまとめることができなかったのが原因である。特定の理由を挙げることは難しいが、校務、経済実験の環境整備など複数の原因により、研究の進捗が少しずつ遅れてしまい、それらが蓄積したことにより、研究の進捗が遅れてしまった。研究費の使用は、研究の進捗と密接に関連しており、大幅ではないが、作業的な部分で研究の進捗が遅れてしまったことが、次年度使用額が生じた理由である。次年度の研究費については、研究報告のための旅費、そして、研究成果をまとめるに際してのPC関連用品の購入が主たる用途になる。PC関連用品については、大学を移動したことにより、いくつかについては新たに購入の必要が生じた。
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