2016 Fiscal Year Annual Research Report
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26705005
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
櫻田 和也 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (70555325)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オペライズモ / 社会調査法 / 調査方法論 / 国際情報交流 / イタリア |
Outline of Annual Research Achievements |
オペライズモにおける社会調査の方法論的固有性の解明を目的とする本研究は、第三年度、これまでの入手資料の分析と労働史専門家らとの研究交流を重ねた上で、ローザンヌの文書館において追加の資料調査を行い関西社会学会等で中間報告を行った他、ローマでの二度にわたる国際会議に日本から唯一の参加者として最新の研究動向のフォローアップ調査を実施した。これらの実施により、初年度に注力したオペライズモ前史の解明および第二年度の戦後史上マルクスの労働者調査が再発見された契機の再確認に加えて、今日的な文脈におけるオペライズモ研究の世界的な位置を確かめることができた。 なお、研究計画については過去の調査事例の分析精度にこだわることよりも本来の目的である方法論的固有性に注力するように方針を転換し、より今日的かつ世界的な展望におけるオペライズモ研究の位置を明晰なものとしつつある。具体的には、研究史上貴重な記録ドキュメント類を精力的に出版する Derive/Approdi社の編集にも携わる Gigi Roggero が最近の仕事で Raniero Panzieri を引いて力点を置くように、調査方法論において階級的敵対性のただなかに身を置くところにこそ、その固有性は再評価されなくてはならない。なお、戦後大阪の暴動史につづき「下から」の視角から造船労働史を再考した二冊目の英文共著書も刊行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査事例の分析精度にこだわることよりも、本来の目的である方法論的固有性に注力するよう方針を転換したことにより、より今日的かつ世界的な展望におけるオペライズモ研究の位置を明晰なものにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度からの方針を引き継ぎ、研究成果をとりまとめる目処をたてる。
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Causes of Carryover |
旅費・謝金等の増大により物品購入などを見合わせたから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画を見直して最終年度にふさわしい使途を検討する。
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