2017 Fiscal Year Annual Research Report
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26705005
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
櫻田 和也 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (70555325)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オペライズモ / 社会調査法 / 調査方法論 / 国際情報交流 / イタリア |
Outline of Annual Research Achievements |
オペライズモにおける社会調査の方法論的固有性の解明を目的とする本研究では、初年度にオペライズモ前史の系譜をたしかめた上で第二年度には戦後思想史上マルクスの労働者調査が再発見された契機をひもとき、第三年度にはフォローアップ調査にもとづき今日的な文脈におけるオペライズモ研究の世界的な位置を確かめてきた。四年目となる本年度にも若干の研究報告と資料整理は進めることが出来たが、公私にわたる諸般の事情により研究計画の延長がよぎなくされ承認をいただいたところである。 次年度あらためて当初の研究目的に照らして研究計画を見直し、最終年度となる研究成果のとりまとめにあたりたい。具体的には、研究史上貴重な一次資料を精力的に出版する Derive/Approdi社の編集にも携わる Gigi Roggero が最近の仕事で Raniero Panzieri を引いて力点を置くように、調査方法論において階級的敵対性のただなかに身を置くところにある固有性の、社会調査史における正当な評価を試みる所存である。 なお本年度の成果としては、龍谷大学社会科学研究所のガタリ研究会、京都大学人文科学研究所のフーコー共同研究班の機会に関連テーマとして中間報告をした他、政治経済学・経済史学会の秋季学術大会での自由論題報告「戦後日本の相対的過剰人口: 高度成長期以来の不安定就業論争を再考する」がある。またオペライズモ研究会としては「ミラフィオーリの不良たち」と題した公開研究会を開催し、かつて Romano Alquati がフィアット工場調査に着手したトリノ近郊を参照点として、現在との比較において階級組成の分析と共同作業の組織化のあり方を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
公私諸事情により昨年中は研究時間を十分にとることが出来ず、計画の延長をよぎなくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
あらためて当初の研究目的に照らして計画を立て直し、最終年度となる研究成果のとりまとめにあたる。
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Causes of Carryover |
諸事情により海外からの研究者招聘と調査旅行の余裕なく計画延長をよぎなくされたが、 最終年度の計画をたてなおして研究成果のとりまとめ及びフォローアップ調査に用いる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)