2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Elucidation of School Education and Study Abroad Circumstances in Bhutan at the Beginning of Modern School Education
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26705011
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平山 雄大 早稲田大学, 平山郁夫記念ボランティアセンター, 講師 (80710649)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育学 / 近代学校教育史 / 季節移動 / 留学 / ブータン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ブータン教育研究の対象時期から疎外され、まとまった研究成果物が提出されていない近代学校教育草創期=「少数精鋭のエリート教育」が実施されていた1910~1940年代の約40年間に着目し、当時のブータン国内における学校教育事情、及び隣国インドへの留学事情を明らかにすることを目的としている。 最終年度となる2017年度は、引き続き、シッキム政務官が残した記録写真、映像、年次報告書、訪問報告書等、及び初代国王や第2代国王の書簡をはじめとした各種史資料の分析を行うと同時に、2017年7~8月及び10~11月、2018年3月にブータン国内にて調査を行った。また、「西欧に留学した初めてのブータン人」と言われる第3代国王妃ケサン・チョデン・ワンチュク(アジ・ケサン)の1940年代後半のイギリス留学を巡る諸相に関して、ロンドンの英連邦関係省やブリティッシュ・カウンシル、ニューデリーやカルカッタの高等弁務官事務所がやり取りした書簡、電報等をはじめとした一次資料の分析を行った。 研究の結果、特に1940年代のブータン南部での学校教育状況の一端が明らかになった。また、アジ・ケサンのイギリス留学は(「少数精鋭のエリート教育」としてのインド留学とは一線を画した)花嫁修業としての性格が強いものであり、①留学先は、ロンドンのケンジントンに位置するブラムハム・ガーデンに面したハウス・オブ・シティズンシップであったこと、②ドルジ家は、ブータンが今後大きく変化し外に開かれていくことを予感して彼女を留学させたようであること、③イギリス到着は1948年9月20日(月)で、留学期間は約1年であったこと等が明らかになった。
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Research Products
(3 results)