2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26706001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大場 友則 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80406884)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分子分離 / グラフェン / ゲート / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ空間中で分子は特異な構造形成や高選択的化学反応など、特異な分子挙動を示すことから着目されている。 これら分子挙動はナノ空間サイズに応じて変化し、非常に狭いナノ空間ではピコメートルレベルでの空間サイズの違いにおいて、著しく異なる分子挙動を示す。 よって、ピコメートルレベルでの空間制御は分子挙動を高度にコントロールするために必要不可欠である。 本研究ではピコメートルレベルで制御された空間をグラフェン上に導入することで、種々の分子を高効率で分離する機能をグラフェンに付与し、超高選択的分子分離機能を有したグラフェンによる最薄膜を創製することを目的とする。 この目的のために高表面積グラフェンの創製に取り組んだ。 通常の化学蒸着法による金属触媒上へのグラフェン合成では高純度のグラフェンが得られるものの、マイクロメートルオーダー以上の高表面積グラフェンの合成が困難であり、転写によるグラフェンの破損も起きることから、石英基板上への直接合成を行い、高表面積グラフェンを得ることに成功した。 また、グラフェン分子分離性能の評価のためにグラフェン膜を組み込むことのできる質量分析装置を製作している。 また、分子分離性能を計算科学の立場から評価するために分子動力学シミュレーションプログラムを製作し、計算を行っている。 これらの予備検討、および準備により、分子分離実験、計算科学実験を遂行できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたグラフェン合成とそのキャラクタリゼーション、装置の製作、計算科学プログラムの作成はすべて順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現合成条件によってグラフェン合成を継続的におこなうとともに、更に良い合成法の開発に取り組む。 装置製作もほぼ完了し、グラフェンを実装して分子分離性能評価に取り組む準備が整いつつあり、実装法を確立し、できるだけ早い段階で評価へと移行する。
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Causes of Carryover |
実験遂行上、次年度に装置を購入する必要性が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の重要な課題の一つである高表面積グラフェン合成において、その性能を評価するために電気化学測定装置を購入する。 そのための経費として計上している。
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