2015 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント光通信用狭線幅周波数安定化レーザの開発
Project/Area Number |
26706016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
葛西 恵介 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80534495)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レーザー / 周波数安定化 / ファブリーペロー共振器 / コヒーレント光通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は初めに前年に試作したエタロン素子を光ファイバ結合型気密ケースに収納し、周波数基準モジュールを作製した。損失は10 dB、モード間隔50 GHz、透過窓の線幅は約60 MHzであった。本素子をゼロ熱膨張となる温度に温調することで安定な光周波数基準として周波数安定化実験に用いた。 周波数安定化用光源としては前年に開発したエルビウムファイバレーザの高出力化に取り組んだ。励起LD(Laser Diode)を2台用いる双方向励起構成とすることで出力を295 mWまで増大することに成功した。また、本年度は新たに波長可変LDの狭線幅化に取り組んだ。64 mmの長い外部共振器と0.55 nm帯域の波長可変光フィルタを組み合わせた共振器構成により、Cバンド帯(1530~1565 nm)全域で線幅8 kHz以下の波長可変LDを実現した。 両レーザの周波数をそれぞれエタロンのピーク周波数に安定化し、10^-12の周波数安定度を有する周波数安定化レーザを実現した。本レーザは高い周波数安定度の他、10 kHz未満の狭線幅特性及び-120 dB/Hz以下の低い相対強度雑音特性を同時に満足している。このような周波数安定化レーザはこれまで実現されておらず、本研究において初めて実現した重要な成果である。しかしながら長期的な周波数安定度には劣化が見られ改善の余地を残している。この劣化要因としてはエタロンを温調する温調システムの精度の限界が挙げられる。温調ドライバの低ノイズ化等によってその精度を向上できれば、長期的安定度を改善できるものと考える。 さらに本年度はこれらのレーザを送信光源として用いたデジタルコヒーレント伝送実験に取り組んだ。いずれの光源を用いた場合でも552 Gbit/s, 46 Gbaud 64 QAM 偏波多重信号を低い符号誤り率で160 km伝送することに成功しており、本伝送実験を通じてレーザの有用性を実証することができた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
http://www.nakazawa.riec.tohoku.ac.jp/
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