2016 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムテラヘルツナノイメージングのためのゼロ近傍屈折率メタマテリアルの研究
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26706017
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 健仁 茨城大学, 工学部, 講師 (60550506)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メタマテリアル / テラヘルツ波 / テラヘルツイメージャー / 負の屈折率 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタマテリアルは比誘電率と比透磁率を同時に制御することで、自然界には存在しない負の屈折率を実現できる。負の屈折率を有する材料は、回折限界を突破可能なテラヘルツ波帯スーパーレンズを実現でき、テラヘルツイメージングへ応用できる。 メタアトムとして非対称なペアカット金属ワイヤー構造を用いることで、2014年度に0.42 THzで実効屈折率neff = -4.4 + j0.25を実験により確認した。2015年度に、0.76 THzでneff = -3.4 + j0.061を実験により確認した。また、2015年度に0.50 THzで屈折率ゼロかつほぼ完全な透過となる屈折率n=0.037+j0.072、透過電力94.5%、反射電力4.8%を実験により確認した。また、メタアトムとして対称ペアカット金属ワイヤー構造を用いることで、2015年度に0.50 THzでneff = -1.4 + j0.058と、1.05 THzでneff = -5.1 + j0.61を実験により確認した。 2016年度は、さらなる高周波数化を行った。設計、試作、実験を行い、2017年度内にまずは国内学会で報告予定である。具体的な研究実績としては以下の通りである。2016年度は、査読付き論文誌2件、学会発表4件(うち招待講演1件)を行った。2016年12月に本研究に関連した内容を日本学術振興会メタマテリアル187委員会で講演した。2017年4月に本研究に関連した内容に平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞が贈られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに1.0 THz以上で負の屈折率を有する2次元メタマテリアルを実現し、さらなる高周波数化を完了した。解析、設計、実験を通してテラヘルツメタマテリアルを評価できる研究環境も整備済みである。2017年7月にサンディエゴで開催される国際会議(2017 IEEE AP-S Symposium on Antennas and Propagation and USNC-URSI Radio Science Meeting)にて、これまでにメタマテリアルにより実現してきたテラヘルツ波帯材料についての進捗も報告する。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は最終年度のため、論文化を積極的に進める。特に、高周波数化の結果について国内学会で報告するとともに、論文としてまとめる。また現状の材料は2次元状のため、3次元化の方法を検討する。
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Causes of Carryover |
当初の計画以上に進展が予想されたため、前倒し請求を行ったことによるものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年7月にサンディエゴで開催される国際会議(2017 IEEE AP-S Symposium on Antennas and Propagation and USNC-URSI Radio Science Meeting)の渡航費に使用する。
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Research Products
(8 results)