2014 Fiscal Year Annual Research Report
高感度小型磁気共鳴力計測装置による早期アポトーシス検出技術の開発
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26706023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 雅也 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40509890)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カンチレバーセンサ / 電子スピン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴力計測法に基づくフローサイトメトリー技術を構築し,細胞といった液中試料の電子スピン共鳴法による活性酸素濃度計測評価をするため,高感度カンチレバー型の力センサの作製と,高真空中で使用可能な薄膜Si窓を有する磁気共鳴力計測のための細胞を流すマイクロ流路の作製を行った. 振動型力センサは,幅210nm,長さ32μmで,カンチレバー中央部には変位計測のためのミラーが作り込まれてある。先端には微小磁石(NeFeB)を取り付け,約11.3kHzの共振周波数,12800のQ値をもつ高感度力センサを作製した。その結果,室温真空環境において-70.1G/μmの磁場勾配による82aNの感度で電子の磁気スピン共鳴現象を検出することができた.これにより,4.6×10^(18)(spins/cm^3)のラジカル密度を計測することができることを示した。 また,厚さ178nmの超薄膜窓を有する細胞を流すための真空中マイクロ流路型チャンバーを開発した。実際にデバイスを真空環境の走査型電子顕微鏡装置内に導入し性能を評価した。ここで,大気圧環境から真空環境にあるチャンバーへ,少ないリークで送液可能なセットアップを構築し,作製したチャンバーに液体を導入可能であり,また細胞の観察に適用できることを確認した.また,作製したチャンバーは電子顕微鏡の計測において,15kV以上の加速電圧を1次電子に与えることで2次電子によるチャンバー内部の観察がはっきりと行えることがわかった.そして,本セットアップにより,液体を流体チャンバーへ導入した状態で7.5×10^(-4)Paまで真空に引けることを確認した.高真空下でマイクロ流路内の液中の試料を観察することに成功しており,生きたままの細胞を真空環境に導入し,薄膜窓を有するマイクロ流路が磁気共鳴力計測のために応用出来ることを示せた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサの作製,チャンバの作製など,おおむね一年間の実施計画に沿っている.
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Strategy for Future Research Activity |
作製したセンサと試料デバイスを組み合わせた計測に入る研究計画に沿って,このまま研究を推進する.
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Causes of Carryover |
初年度のデバイスを評価方法を既存方法に変更し,物品購入を次年度に先伸ばししたり,予定していた国際会議に採択されなかったなどしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
不足する物品購入や,国際会議への旅費,謝金等に使用する。
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Research Products
(8 results)