2015 Fiscal Year Annual Research Report
高感度小型磁気共鳴力計測装置による早期アポトーシス検出技術の開発
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26706023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 雅也 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40509890)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 磁気共鳴 / アポトーシス / 活性酸素濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内の活性酸素濃度ラベルフリーで,流路内を流れる状態で計測することにより,迅速な細胞診断をフローサイトメトリの観点で実現するデバイス開発を目指し,磁気共鳴計測のための高感度カンチレバープローブの作製と細胞を流すための流路チャンバの作製を行い,それらを組み合わせて早期アポトーシスの検出技術の開発を進めた. 次世代の高感度なカンチレバー型磁気プローブとして,ダイヤモンドのNVセンターを用いた磁気共鳴計測法が期待されており,NVセンターを有する薄膜ダイヤモンドプローブに着目し,プラズマ励起化学気相成膜法を用いたダイヤモンド成膜・加工を行い,それをプローブ先端に設置することで,磁気共鳴計測に用いることができるダイヤモンドプローブの作製を行い,その性能を評価した.NVセンターの存在は,ラマン分光法により確認し,ダイヤモンド加工プロセスにあるXeF2エッチングのプロセス後には,不活性になってしまうNVセンターをその後のアニール処理により再活性させることができることを突き止めた.また,プローブ形状先端にNVセンターを有するダイヤモンド薄膜を設置することに成功し,高周波電磁波を用いて,NVセンターから発する蛍光強度変化を観測することに成功し,作製したNVセンターを有するダイヤモンドプローブが磁気共鳴計測に応用出来るセンサであることを示すことができた. 流路チャンバの作製として,細胞一つの活性酸素濃度と質量の関係をフローサイトメトリできるようなデバイスを目指したマイクロデバイスの作製を進めている.活性酸素濃度と質量を同時に計測することで,より確かな細胞内の挙動を検出することが可能となると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NVセンターを有するダイヤモンドプローブという次世代の磁気共鳴計測のための高感度カンチレバープローブの作製に成功した.また,細胞内の活性酸素濃度ラベルフリーで,流路内を流れる状態で計測するために,白血球細胞の凍結・解凍,培養操作を習得し,実際にフローサイトメータを用いた計測を実現した.迅速な細胞診断をフローサイトメトリの実証のためには,マイクロ流路デバイスと融合させた計測を早急に進める必要があるとともに,質量や活性酸素濃度をラベルフリーで計測できるマイクロ流路デバイスを作製することで,早期アポトーシスの検出に繋がる技術の開発を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
細胞診断のためのフローサイトメトリの実証のためには,マイクロ流路デバイスと融合させた計測を早急に進める必要があるとともに,質量や活性酸素濃度をラベルフリーで計測できるマイクロ流路デバイスを作製することが必要である.そこで,1,2年目で作製した高感度プローブと流路型チャンバを組み合わせてのシステム開発が必要である.アセンブリング技術を確立し,早期アポトーシスの検出に繋がる技術の開発を進める.
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Causes of Carryover |
購入する予定であった物品を既存施設で似た装置を借りることで研究を一時的に進めることができたことと,成果発表や謝金を出さずに,代表者本人が研究を遂行することになったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計測に必要な光学物品の購入と成果発表に伴う旅費,また謝金による学生の雇用を含めて研究推進を進める.
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Research Products
(5 results)