2014 Fiscal Year Annual Research Report
すばる望遠鏡の超広視野カメラで明かす遠方銀河の三次元大規模構造と星形成史
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26707006
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| Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
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Principal Investigator |
林 将央 国立天文台, 光赤外研究部, 特別客員研究員 (30583554)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 大規模構造 / 星形成史 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
すばる望遠鏡の主焦点超広視野カメラ Hyper Suprime-Cam (HSC) 用の狭帯域フィルターの仕様の決定を行った。当初から、既存の狭帯域フィルターNB921,NB973,及びNB101のいずれかの透過率曲線と隣接した狭帯域フィルターを製作することを計画していた。製作するフィルターで行う研究内容や夜光の明るさ、フィルター製作費用を踏まえて検討した結果、NB926フィルターを製作することに決定した。この狭帯域フィルターは、NB921フィルターの透過率曲線から中心波長が僅かに長波長側にずれた透過率曲線を持つ。平成26年10月に、製作を担当する業者が決定し、本格的な製作に移った。そして、平成26年度内にNB926狭帯域フィルターは納品され、フィルターの製作は完了した。
HSCデータの扱いに慣れるため、すばる戦略枠サーベイで取得されたデータの解析を始めた。平成27年度以降にサイエンスの研究へ速やかに移れるように準備を進めた。平成26年度は、すばる戦略枠サーベイでは広帯域フィルターを用いた観測のみが行われた。しかし、データの整約に使われるパイプラインソフトウェアが出力する結果には、様々な情報が含まれており、HSCデータを使いこなすには、その理解が必要不可欠である。平成26年度に得られたHSC戦略枠サーベイデータの公開前に、その解析結果の確認作業を手伝うことで、パイプラインソフトウェアの振る舞いや出力結果の測光カタログに含まれる情報の理解を深めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において、平成26年度の最も重要な研究は、HSC用の狭帯域フィルターを製作することであった。狭帯域フィルターの仕様を決定し、平成26年度内に狭帯域フィルターNB926の製作が無事に完了した。さらに、HSCデータの扱い方の理解を深めることも出来た。これらのことを考慮すると、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成26年度、HSC用の狭帯域フィルター(NB926)を製作した。まず、このNB926フィルターの透過率曲線の測定を国立天文台の装置を用いて行い、仕様通りになっているかを確認する。
平成27年度は、HSCで観測されたデータの解析を進め、サイエンスの研究に重点を移して行く。HSCすばる戦略枠サーベイでは、平成27年3月から、これまでの広帯域フィルターを用いた観測だけでなく、狭帯域フィルターを用いた観測も開始した。平成27年度は、これらのHSCすばる戦略枠サーベイで取得されたデータの解析を行う。HSCチームによって公開される整約済み画像と天体カタログを用いて、輝線銀河の選出を行う。HSCの広視野のおかげで、非常に膨大なデータが得られる。そのため、これまでの経験を踏まえて、HSCデータから輝線銀河を選出する方法を確立する。そして、様々な赤方偏移に存在する輝線銀河の空間分布や輝線光度関数を描く。
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| Causes of Carryover |
狭帯域フィルターを製作するため2つの業者に見積もりを依頼した。その結果、見積もり金額は当初の平成26年度の予算より高く、予算が不足する可能性が極めて高い状況であった。確実に入札を成立させるため、平成27年度以降の学術研究助成基金助成金の前倒し請求を行った。2つの業者による入札の結果、当初の予算とほぼ同額で狭帯域フィルターを製作できた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
学術研究助成基金助成金の前倒し請求を行った分は、当初の平成27年度以降の計画通りに使用する。
本研究課題の紹介や研究を実施するための情報を取得するため、国内外の研究会に参加することは非常に重要である。それらの研究会への参加費や旅費に使用する計画である。
また、HSCの観測データは膨大なデータとなるため、必要に応じてハードディスクを購入し、データ解析に支障がないようにする計画である。
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