2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26707007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 貴之 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任准教授 (40399291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 銀河形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、私が開発した流体不安定性を扱うことのできる新しい SPH 法と、従来の標準的なフィードバックモデルでは扱えない高温ガスを生み出せるモデルを組み合わせ、銀河形成過程の明らかにすることを目的としている。
本年度は主としてフィードバックモデルの実装をおこなった。通常の銀河形成シミュレーションでは、実際の恒星より大きな恒星集団を表す星粒子の進化を解く。そのとき、星粒子は同じ時間に生まれた同じ金属量を持つある質量関数に従う恒星集団とする。この仮定の元で、~10太陽質量より重い恒星が爆発したとすると、星形成領域のガス温度は百万ケルビン程度になる。この温度は熱的不安定な領域にあり、星形成領域の力学的時間より早く冷却される。したがって超新星爆発は進化に寄与しない。これはモデル化からくる制限であり、現実の宇宙で起きていることを正しく反映できていない。そこで、フィードバックにより解放されるエネルギーの保存を条件として課しつつ一部のガスだけを熱的不安定領域を超える温度まで加熱する確率的フィードバックモデルを構築・実装した。これにより、従来のモデルよりも高温のガスを生成し銀河形成進化にインパクトを与えることができるようになる。さらに、従来のII型超新星爆発のモデルに加えて、HII領域のモデル、Ia型超新星爆発、AGBによる質量放出のモデル化と実装をおこなった。現在はパラメータを変えながらモデル銀河の中で影響を調べている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたフィードバックモデルの構築はほぼ完成した。シミュレーションコードの安定化に時間がかかったためテストは完了していない。これは翌年度前半の主要な研究とする。
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Strategy for Future Research Activity |
テストを引き続きおこない、その後現実的なシミュレーションへ適用してゆく。
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Causes of Carryover |
計算機の部品購入予算であったが、一部部品の価格が円高の影響で高いままであったため、最低限の仕様とし価格が下がってくるまで待つこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の早い時期にハードディスクおよびメモリモジュールの増強を行う予定である。
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[Presentation] A Density Independent SPH2014
Author(s)
Takayuki Saitoh & Junichiro Makino
Organizer
East Asian Numerical Astrophysical Meeting
Place of Presentation
KyungHee University/Korea
Year and Date
2014-09-16 – 2014-09-16
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