2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26707023
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
栗田 玲 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (20579908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソフトマター / 温度勾配 / パターン形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソフトマターは温度や濃度・外場に対して敏感であり、そのため、様々な高次構造を形成する。この敏感性から温度勾配に対して、系が大きく変化することが期待される。 我々はゲルの熱輸送過程を調べた。ゼラチンといった物理ゲルは温度により可逆的に粘性を大きく変化させる。粘性は速度場に大きく影響を与えると期待し、物理ゲルの対流を調べた。熱伝導・熱対流が繰り返す興味深い現象を発見した。この理由として、流れが生じない領域が形成されることが原因であることを突き止めた。このことはNature系雑誌のScientific Reportsに掲載されている。現在、より発展的な研究を行い、さらに2本の論文を投稿している。 また、界面活性剤・水系は室温において、平行に配向したラメラ相を形成する。このラメラ相を基盤に平行に配列させたのちに温度勾配を印可すると、膜の間の距離が温度勾配によって、変調され、系全体に影響を及ぼすことがわかった。これについて、論文を執筆中である。 これらの他にも赤血球の凝集過程、グラフェンの破壊、粉体のパッキング状態に関する研究を行い、それぞれ論文に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度勾配下におけるソフトマターの挙動は実験が難しいが、工夫することによって、大きな成果を得ることができた。現在、掲載および投稿している論文の数が増えていることにつながっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、順調に進んでいるので、当初の計画によって進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めるにあたって、専門的な知識を持った人材を雇用したが、その雇用費が予定よりも安かったため、次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を進めるにあたって、消耗品の購入、専門的な知識を持った人材の雇用、研究発表するための旅費に使用する予定である。
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