2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26707029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 健二 東京工業大学, 理工学研究科, 講師 (20727218)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電気伝導度 / 熱伝導率 / 地球中心核 / 高圧実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高温の地球中心から地表までの間に存在する大きな熱勾配は融体金属からなる地球外核とマントルの対流を引き起こし、地磁気の生成やプレート運動などの地球のダイナミズムの原動力となっている。電気伝導度・熱伝導率は地球内部の熱構造と熱進化を知るための基礎的な物理量であるにもかかわらず、実際の地球中心核条件での測定例は殆ど存在しない。本研究の目的は高温高圧実験によって地球の核を構成する鉄ー軽元素合金の電気伝導度を実際の地球中心核の温度圧力条件で行い、地球中心核の電気伝導度及び熱伝導率構造を明らかにすることである。 平成26年度は地球中心核の主成分である純鉄を対象試料とし、研究を行った。レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル高温高圧発生装置を用いて、純鉄の電気抵抗率(電気伝導度の逆数)測定を地球中心核条件に相当する160万気圧、4500ケルビンまでの条件で行った。地球中心核に相当する温度圧力条件において、純鉄の電気抵抗率の測定に成功したのは本研究が初めてである。この実験は大型放射光施設SPring-8を利用し、電気抵抗率測定と同時に試料の結晶構造解析も行っている。そのため、純鉄の電気抵抗率の相転移による変化を精密に決定することが可能となっている。その結果、本実験によって純鉄の電気抵抗率が圧力、温度、相転移によってどう変化するのかを定量化することが出来た。この結果は、翌年以降に鉄-軽元素合金の電気抵抗率測定を行う際に基礎的データとして非常に有用である。 本研究の結果は3件の学会で発表を行った。うち2回は国際学会における招待講演である。またこの研究成果を論文としてまとめ、科学雑誌Natureに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の交付申請書内で設定した研究実施計画で目標にしたゴールは、純鉄の電気抵抗率の温度、圧力、相転移依存性を地球中心核に相当する条件下で行うことであった。上の研究実績の概要に記載したとおり、当初の計画は達成したと言える。 また、平成27年度以降の研究課題であった鉄―軽元素合金の高温高圧下電気抵抗率測定にも昨年度末から既に着手している。そのため、現在までの研究の達成度は計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究によって、純鉄の電気抵抗率の温度・圧力・相転移依存性が明らかになった。地球中心核は純鉄の他に少量の軽元素(珪素、硫黄、酸素、炭素、水素)が含まれていると考えられている。これらの軽元素が純鉄の電気抵抗率に与える影響を明らかにすることは地球中心核の電気抵抗率を推定する上で重要な研究である。交付申請書に記載した平成27年度の計画では、鉄-ニッケル合金の電気抵抗率測定を行った後に、鉄―軽元素合金の研究に着手するとしていた。しかし、すでに鉄-ニッケル合金においては先行研究が存在することから、今年度は鉄-軽元素合金の電気抵抗率測定に着手したい。研究代表者に加えて、2名の学生も研究の協力者とする。それぞれが1元素ずつを担当し、鉄―硫黄合金、鉄―酸素合金、鉄-水素合金の電気抵抗率測定を地球中心核に相当する温度・圧力条件で行うことを目指す。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Heating of Li in hydrogen: Possible synthesis of LiHx2015
Author(s)
Kuno, K., Matsuoka, T., Nakagawa, T., Hirao, N., Ohishi, Y., Shimizu, K., Takahama, K., Ohta, K., Sakata, M., Nakamoto, Y., Kume, T., Sasaki, S.
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Journal Title
High Pressure Research
Volume: 35
Pages: 16-21
DOI
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[Journal Article] Measurements of lattice thermal conductivity of MgO to core-mantle boundary pressures2014
Author(s)
Imada, S., Ohta, K., Yagi, T., Hirose, K., Yoshida, H., and Nagahara, H.
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Journal Title
Geophysical Research Letters
Volume: 41
Pages: 4542-4547
DOI
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[Journal Article] Highly conductive iron-rich (Mg,Fe)O magnesiowustite and its stability in the Earth’s lower mantle2014
Author(s)
Ohta, K., Fujino, K., Kuwayama, Y., Kondo, T., Shimizu, K., and Ohishi, Y.
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Journal Title
Journal of Geophysical Research, Solid Earth
Volume: 119
Pages: 4656-4665
DOI
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[Journal Article] Pressure-induced re-entrant metallic phase of lithium2014
Author(s)
Matsuoka, T., Sakata, M., Nakamoto, Y., Takahama, K., Ichimaru, K., Mukai, K., Ohta, K., Hirao, N., Ohishi, Y., and Shimizu, K.
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 89
Pages: 144103
DOI
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[Presentation] Measurements of electrical and thermal conductivity of iron under Earth’s core conditions2014
Author(s)
Ohta, K., Kuwayama, Y., Shimizu, K., Yagi, T., Hirose, K., Ohishi, Y.
Organizer
American Geophysical Union, 2014 Fall meeting
Place of Presentation
San Francisco, CA, USA
Year and Date
2014-12-15 – 2014-12-19
Invited
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[Presentation] Electrical resistivity of iron in the Earth’s core conditions2014
Author(s)
Ohta, K., Kuwayama, Y., Hirose, K., Shimizu, Ohishi, Y.
Organizer
Gordon Research Conference on High Pressure, Research at
Place of Presentation
University of New England, Biddeford, ME, USA
Year and Date
2014-06-22 – 2014-06-27
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