2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26708028
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山内 悠輔 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究員 (10455272)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多孔体 / 金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
精密な構造制御の観点からみると,現状の合成技術はまだまだ発展途上であり,組成・形態・構造において,さらに高度に制御されたナノポーラス金属の創製を目指す必要がある.平成27年度においては,様々な界面活性剤を用い,電気化学的な手法を組み合わせることで,ナノポーラス白金を薄膜として基板に固定化することができた.また,階層構造有するファイバー電極やマクロ-メソ階層構造電極の合成など,マクロスケールからメソスケールまで階層的に細孔空間を作り出した.特に,電極中の反応物の拡散性を向上させるためには,電極をロッド状(1次元)の形態にすることが大切であり,陽極酸化ポーラスアルミナなどを用いることで作製可能になった.白金の電極触媒などへの応用を考えた際には,一酸化炭素(CO)による白金表面の被毒が重大な問題になってくる.平成27年度においては,Ni,Co,Ru, Cuなどの金属と合金化させることで,耐CO性能のある電極触媒の合成に成功した.高い表面積を有し,かつ高い耐CO被毒性能を確保している触媒は,今後有望であろう.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予想以上に様々な合金が同様の手法で可能であった.
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Strategy for Future Research Activity |
第一段階の応用ターゲットとして,環境負荷低減・省エネルギーのための次世代エネルギーデバイス用電極の開発とその特性評価を行う.本研究で開発されたナノポーラス金属は,従来の報告には例を見ない非常に高い秩序性を有しており,特異なメソ構造に起因した今までにない新たな物性の発現が十分に期待できる.細孔壁の金属組成を制御することで,応用用途にあった組成でメソポーラス合金をデザインする.リチウムイオン二次電池ならば,Sn系合金であるし,DMFCならば,Pt系合金である.将来的には,マイクロデバイス等への応用を目指し,ナノポーラス金属の微細部位への直接組み込みや巨視的なレベルでの形態制御が重要になってくる.また,そのマトリクス中でのナノ細孔の配向も機能性の向上させるためには,必要な因子である.例えば,細孔が垂直方向に配向したナノポーラス金属薄膜は,ゲスト種の細孔内へのアクセシビリティーを増加させるなど,機能性が大幅に向上することが期待できる.
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Research Products
(2 results)