2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26709033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱本 昌一郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (30581946)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微細気泡 / 土壌汚染 / 物質移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度の研究目的は次の通りである.1)微細気泡移動機構の解明と物質移動パラメータ予測式の提案,2)室内カラム実験結果を用いた土壌内の気泡移動モデルの検証 1)については,H26年度に引き続きガラスビーズ充填試料(平均粒径0.1 mm)を用いた微細気泡水注入試験を行った.用いた微細気泡水の平均気泡径は約300nmである.昨年度実施し得られた気泡水注入速度が気泡の流出特性に与える影響について,反復実験データを蓄積するとともに,気泡生成ガス種の違いが気泡特性に与える影響についても検討した.結果,酸素気泡の方が,空気気泡よりも移動性が高い結果が得られた.この理由として,注入した気泡径分布や気泡のゼータ電位の相違が考えられた. 2)については,多孔質体内の物質移動を表す移流分散方程式に,気泡とガラスビーズ表面との可逆的な吸着・脱離作用と不可逆的な捕捉を考慮した移動モデルを,1)で得られた室内実験データにて検証した.可逆的な吸着・脱離作用と不可逆的な捕捉を考慮することで,微細気泡水注入後の緩やかな濁度上昇と注入溶液を水へと切り替えた後の緩やかな濁度低下を良く再現することが出来た. 今後は引き続きカラム実験を実施し,特にガラスビーズの粒径が微細気泡の移動特性に与える影響について検討するとともに,模擬汚染土壌を用いた微細気泡水注入実験についても取り組む.モデルパラメータと多孔質体の物理特性または気泡特性の関係についても調べる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度からの研究計画の遅れを引きずり,今年度は当初予定の実験条件でカラム実験を終えることが出来なかった.また,本研究では市販の微細気泡水を使用している.納入された微細気泡水の気泡特性を揃えることが難しく,反復データを蓄積するのに時間が要した.使用する微細気泡水については,来年度は関係研究者所有の微細気泡水発生装置を利用する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はH27年度に引き続きカラム実験を実施し,特にガラスビーズの粒径が微細気泡の移動特性に与える影響について検討するとともに,模擬汚染土壌を用いた微細気泡水注入実験についても取り組む.汚染物質を分析するための装置はH27年度中に導入した.汚染物質,気泡,気泡担体汚染物質の移動特性について明らかにする.また,室内カラム試験から得られたモデルパラメータと多孔質体の物理特性または気泡特性の関係についても調べ,多孔質体中の微細気泡移動モデルについて検討する.
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Causes of Carryover |
カラム実験の遅れから購入予定であった共振式質量分析計の購入を来年度に回し,H27年度は炭化水素化合物測定用のガスクロマトグラフ質量分析用オプション(ヘッドスペースサンプラー)を購入したため,繰越金が出た.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共振式質量分析計を共同設備として購入することを予定している.
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Research Products
(6 results)