2014 Fiscal Year Annual Research Report
微生物燃料電池を用いた省エネ型窒素除去システムの開発
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26709036
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
廣岡 佳弥子 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (10555098)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微生物燃料電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
廃水を処理する独立した複数の微生物燃料電池と電解槽が直列の電気回路でつながったシステム(独立処理型)で、人工廃水を処理する運転を試みた。実験に用いた微生物燃料電池用の廃水には有機物源として酢酸を含むもの、電解処理対象の廃水にはアンモニウムイオンおよび高濃度の塩化物イオンを含むものを用いた。 電解槽では、処理によるアンモニウムイオン濃度の減少と共に、pHの低下が観察された。そして、pH3程度以下になるとアンモニア除去効率が大きく減少することを確認した。これは、廃水中の塩素ガス(Cl2)の割合が増加して相対的に次亜塩素(HClO)が減少したためであると考えられる。そこでリン酸バッファを用いて人工廃水を弱酸性に保ち、処理を試みたところ、pHが3以上であるにも関わらず、アンモニウムイオン濃度がほとんど減少しなくなった。このことは、高濃度のリン酸の存在がアンモニアの除去を阻害することを示唆している。そこでpHコントローラーを用いてアルカリを添加し、電解液のpHを5以上に保つようにした。その結果、アンモニア除去効率を保った状態で電解処理を進めることができた。そして、微生物燃料電池の電力のみで、廃水中のアンモニアの完全な除去が可能であることが確認できた。また、この時の微生物燃料電池の直列台数は3台以上であればよいことがわかった。一方、電解処理のクーロン効率は15~20%程度であったが、今後、高めていく予定である。さらに、本システムにおける廃水中のアンモニア除去時の窒素収支の把握に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の中頃から、研究代表者の体調不良により、当初の計画通りのスケジュールで進めることが困難になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
進行状況はやや遅れているが、当初の計画に沿って順次研究を遂行する予定である。平成26年度に引き続き、独立処理型システムを用いたアンモニア除去における窒素収支の把握を進める。さらに、微生物燃料電池の直列台数や、廃水の塩化物イオン濃度が処理に与える影響に関する検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初の計画に比べて研究の遂行がやや遅れたため、未遂行の研究の分の経費が使われなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、「今後の研究の推進方策」に従って研究をすすめ、順次助成金を使用していく。
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