2014 Fiscal Year Annual Research Report
ns2型発光中心を含有したガラス蛍光体における局所構造と発光特性の制御
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26709048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正井 博和 京都大学, 化学研究所, 助教 (10451543)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化物ガラス / 蛍光体 / 蛍光 / ns2型発光中心 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、種々の酸化物ガラス中にドープした、Sn2+に代表されるns2型発光中心の発光特性を調査した。ホストの酸化物ガラスとして、亜鉛リン酸塩ガラスや亜鉛ホウ酸塩ガラスを選択して、蛍光スペクトルや発光減衰定数を評価したところ、組成に応じて発光挙動が異なることを見出した。また、当該ガラスを作製する雰囲気や、ガラス融液からの冷却速度によっても、発光特性や、吸収特性などの光学特性が大きく変化することを見出した。これらは、発光中心がそのまわりの局所状態を反映するためであり、融液を冷却して得られるガラスにおいて、その物性が作製条件に大きく左右される、例えば、急冷して得られるガラスと徐冷して得られるガラスでは、発光特性が大きく異なることが示唆される。 平成26年度は、高温から急冷して得られるガラス蛍光体の作製【研究項目A1】を実施計画として検討していたが、雰囲気制御電気炉において、高温から室温までの温度変化に対して耐えうるセラミックス管が現状では市販されていないことが判明した。そのため、専用のセラミックス管を業者と共同して作製するところから始めたため、この検討項目については、平成27年度に持ち越しとなっている。一方、酸-塩基反応を用いたアモルファス薄膜の作製、および組成・発光の調査【研究項目A2】に関しては、研究実施後、論文を投稿することができた。これらに対して組成・発光・局所構造の調査【研究項目B】を検討した。光学特性は評価できたものの、放射光を用いたXAFS測定は課題の採択との兼ね合いで、進展が若干遅くなっている。ただ、放射光の解析結果を必要としない論文については、随時論文投稿をおこなっており、その観点は、評価に値するといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ns2型発光中心を含有するガラスにおける論文を公表するだけでなく、共同研究者とのコラボレーションにより、今後の研究進展に不可欠な、ガラスのランダム性と発光特性との相関に関して、知見を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、申請書で記述したデバイス応用を志向した研究を推進するよりも、アモルファス材料における構造のランダム性、および、組成の精密制御に関する研究を優先することを検討する。そのような基盤研究による知見を得て初めて、応用研究が成立すると考えるためであり、よりガラスの基礎的な特性と発光特性との相関を重点的に研究してゆく。
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Causes of Carryover |
ガラスの作製時の急冷過程に耐えるセラミックス管を持つ、雰囲気制御用電気炉が市販されていなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
電気炉、光学評価機器など、研究進展に最も適した装置を購入するために使用する予定である。
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[Presentation] Optically Stimulated Luminescence in X-ray irradiated xSnO-(25-x)SrO-75B2O3 Glass2014
Author(s)
Nanto, H.; Nakagawa, R.; Takei, Y.; Hirasawa, K.; Miyamoto, Y.; Masai, H.; Kurobori, T.; Yanagida, T., Fujimoto, Y.
Organizer
2014 Symposium of Radiation Measurements and Applications (SORMA XV)
Place of Presentation
Michigan, USA
Year and Date
2014-06-11
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