2015 Fiscal Year Annual Research Report
粉砕及び再結晶化処理を組み合わせた高水熱安定性ナノゼオライト触媒の新規調製法
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26709058
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
脇原 徹 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70377109)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゼオライト / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的な触媒であるFAU型、MFI型、BEA型、MOR型、CHA型ゼオライトを研究対象とする。本研究では、①粉砕操作の原子レベルでの理解及びその結晶化メカニズム解明、②粉砕及び再結晶化操作を組み合わせたゼオライトの微細化及び高結晶性化の同時両立、③触媒特性評価及び水熱安定性評価、の3項目の研究を行う。①及び②の研究は③の評価・知見により随時フィードバックさせるため、①~③の内容は密接に相関関係にある。 27年度はゼオライトが粉砕操作(圧縮・せん断・熱応力)に対しどのように非晶質化するか、高エネルギーX線回折法・計算機シミュレーション(RMC法)を中心とした各種構造解析法により明らかにした。特に粉砕挙動は原料ゼオライトのSi/Al比及び含水量に強く影響されることが分かっていたため、上記構造解析法によりその詳細を明らかにした。 また、対象とするすべてのゼオライトに対し、平成27年度中に平均粒径50nmのナノ粒子を作製する技術を確立させた。すでに一部のゼオライトに対しては水熱安定性評価に移っており、現在実験を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度は合成実験を主として行っていたが、27年度はキャラクタリゼーションにも力を入れて行った。対象とするすべてのゼオライトに対して、おおむね順調に研究は進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
炭化水素分子のクラッキング、アルキル化、異性化等、ゼオライトの触媒特性評価に用いられる典型的反応により、その特性を確認する予定である。また、水熱安定性評価を通じて、構造欠陥の少ないゼオライトを調製する方法を見出す。さらに、得られたデータをゼオライト調製条件にフィードバックさせ、欠陥制御・高水熱安定性ゼオライト触媒の調製のための最適条件を解明する。
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Causes of Carryover |
当初ナノ粒子化を予定していたゼオライト種の実験が遅れてしまい、耐久試験などを行うことができなかった。その分の予算を繰り越すことになった。とはいえ、概ね研究は順調に進んでおり、本年度予定していた実験を行うことができる見込みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にゼオライトの水熱耐久性試験に必要な物品費などに充てる予定であり、単純に使用時期がずれ込んだだけで当初予定と大きな違いはない。
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