2017 Fiscal Year Annual Research Report
Refinery of Nitrogen-Containing Biomass over Solid Catalysts
Project/Area Number |
26709060
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 広和 北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (30545968)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオマス / キチン / 触媒 / 加水分解 / 含窒素有機物 |
Outline of Annual Research Achievements |
キチンは窒素を含むバイオマスの中で最も賦存量が多く、効率的な化学変換が可能になれば付加価値の高い含窒素化学品の原料になる。2016年度までにキチンを加水分解してN-アセチルグルコサミンを収率61%、加水分解水素化してN-アセチルグルコサミニトールを収率52%で得ることに成功している。そこで、本年度はこれらの化合物から有用な化学品を合成することを目的とした。 まず、N-アセチルグルコサミンに対して塩基存在下での水素化条件を適用することにより、レトロアルドール反応と逐次水素化が進行し、収率30%でN-アセチルモノエタノールアミンが得られた。レトロアルドール反応で生成するアルデヒドは不安定であるため、系中で生成した直後に水素化することが重要であることが分かった。本生成物から容易に得られるモノエタノールアミンは化粧品原料、二酸化炭素吸収剤、pH調整剤などとして有用な化合物である。 次にN-アセチルグルコサミンから生物を構成するアミノ酸が合成できないか検討した。N-アセチルグルコサミンに対して塩基触媒によるレトロアルドール反応とRu/C触媒による酸化を組み合わせた一段での反応を行うと、確かにグリシンが生成した。ただし、副反応が著しいことが分かったため、既に合成に成功しているN-アセチルモノエタノールアミンを中間体としたグリシンの合成を試みた。その結果、グリシン収率は大幅に向上したが、依然として副生成物の割合も高く、その中でもアセトアミドが高収率で得られた。そこで、アセトアミド基の脱離経路を調べたところ、当該官能基が結合している炭素のC-H基が自動酸化を受けてヘミアミナールになることが原因であると推定された。この結果をもとに、ラジカルスカベンジャーとしてヒドロキノンを添加したところアセトアミドの副生が大幅に抑えられ、グリシン収率はさらに向上した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)