2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工欠陥導入鉄系超伝導薄膜線材は水素社会の創エネ・蓄エネに貢献するだろうか?
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26709076
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
三浦 正志 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (10402520)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鉄系超伝導薄膜 / 磁束ピンニング点 / 人工欠陥 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、26年度に以下の2つを目的に実施した。 (1) BaZrO3導入Ba122:P薄膜の20 Kにおける磁場中Jc特性評価とそのJc向上の指針 (2) As/P組成比xの異なるBa122:P薄膜を作製し、磁場中Jc特性に及ぼす影響の解明
(1)では、未測定の20 KにおけるJcの磁場依存性、Jcの磁場印加角度依存性を人工欠陥密度の異なる薄膜に対して評価し、15Kに比べて20Kでは磁束のサイズが大きくなるため、 10 nm程度の大きな人工欠陥が有効であることを確認した。また、熱振動の違いが磁束ピンニング特性に影響を及ぼしているような結果を得た。(2) では、As/P組成比xの異なる薄膜を作製し特性を評価した結果、x=0.33薄膜が最も高い値を示した。特性が高かった理由を調べるために、結晶性、c軸長、Tc、異方性等を調べた結果、c軸長が最も短く、化学圧力による格子定数の低下が高いTcに影響していることが考えられる。これらの成果を招待講演1研、国際学会1件、国内学会1件で発表した。現在、これらの成果を論文として投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績概要に記したように、当初の目的であった(1) BaZrO3導入Ba122:P薄膜の20 Kにおける磁場中Jc特性評価とそのJc向上の指針 及び(2) As/P組成比xの異なるBa122:P薄膜を作製し、磁場中Jc特性に及ぼす影響の解明において、一定の成果を得ることができた。また、これらの成果は、米国で行われた Applied Superconductivity Conference 2014や平成26年度春季 低温工学・超電導学会で発表を行った。現在、これらのこれらの成果を論文として投稿準備中であるため、おおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下のことを目的に実行する予定である。 (3) 密度の異なるBaZrO3ナノ粒子導入Ba122:P薄膜作製及び特性評価 ①更なる高磁場での高Jcを得るために、焼結体ターゲットに添加するBZOのwt %をこれまで(3 wt%)以上の5から15 wt%とし最適xのBa122:P薄膜中に導入するナノ粒子の密度を制御・導入する。②高密度BZO導入薄膜を作製する際には、BZOが母相の結晶性、組成等に影響を及ぼすことが予測されるため、分圧、成膜レート等を制御し、高品質なBZO導入Ba122:P薄膜を作製する。③wt %の異なるBZO導入Ba122:P薄膜の20 Kにおける磁場中Jc及び磁束クリープ特性を評価することで最適BZO導入量を明らかにし、更なる磁場中Jc向上の指針を得る。(4) サイズの異なるBaMO3ナノ粒子導入Ba122:P薄膜作製及び特性評価 ①理論的には20 K下では磁束サイズは10 nmとなり、15 Kの8 nmより大きくなる。そこでRE123薄膜での知見を元にBaMO3のMをSn, Nbなどで置き換えBMOナノ粒子サイズを制御する。②サイズの異なるBMO導入Ba122:P薄膜の20 Kにおける磁場中Jc及び磁束クリープ特性を評価することで最適BMOサイズを明らかにし、更なる磁場中Jc向上の指針を得る。
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Causes of Carryover |
当初、26年度に大電流測定用の電源等を購入する予定であったが、磁場中測定装置の納品が27年度になったため、それに合わせて、27年度に購入する予定としたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は、磁場測定に必要な水平サンプルローテータや大電流測定用の電源等を購入する予定である。また、薄膜作製に必要なガスなどを消耗品として計上している。研究成果を社会に発信するツールとして必要な旅費を計上している。
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