2016 Fiscal Year Annual Research Report
Ecophysiology of yet-to-be cultured archaea inhabiting subsurface environments using environmental omics and cultivation based approach
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26710012
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
玉木 秀幸 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (00421842)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 未知微生物 / アーキア / 培養技術 / 環境ゲノム / 陸域地下圏 / 生物機能 / 難培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、陸域地下圏に棲息する未知アーキア系統群とその周辺微生物の実態解明を目指している。特に、難培養微生物の培養技術とともに環境ゲノム情報解析技術を相互補完的に組み合わせて活用することで、これまで以上に陸域地下圏未知アーキアの実態に迫ろうとしている。今年度は、深部油ガス田環境、地下湧熱水環境、氷河堆積物環境などの陸域地下圏環境を対象として研究を実施した。特に、今年度は複数の新規メタン生成アーキアの純粋分離に成功した。その中でも、深部油田環境から分離したメタン生成アーキアが、石炭から直接メタンを生成する能力をもつこと、またこれまでに全く知られていないメタン生成経路で石炭の構成成分であるメトキシ芳香族化合物からメタンを生成することを明らかにし、その成果が米国科学誌Scienceに掲載されるなど特筆すべき成果を挙げた。また、昨年度までに、深部油ガス田ならびに地下湧熱水から門レベルの未知アーキアならびに未知バクテリアからなる複数の集積培養の獲得に成功しており、この集積培養物を対象としたメタゲノム情報から、それらの未知アーキアならびに未知バクテリアについて完成度の高いゲノムの再構築に成功した。そこで、今年度は、このゲノム情報を徹底解析し、未知アーキアの生理代謝機能の推定を実施した。その結果、未知アーキアの中には、水素と二酸化炭素から酢酸を生成してエネルギーを獲得する能力をもつものがいる可能性が示された。現在、いくつかの集積培養系を用いて、未知アーキアの代謝機能の実証実験をさらに進めるとともに、各種未知アーキア・未知バクテリアの純粋分離に取組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
陸域地下圏環境の嫌気性微生物はアーキアもバクテリアも培養の困難ないわゆる難培養微生物であると考えられており、同環境からの未知アーキアや未知バクテリアの集積培養化の事例も非常に少ない。しかしながら、我々のこれまでの研究で、既に門レベルの未知アーキアや未知バクテリアを内包する複数の集積培養化に成功し、環境ゲノム情報からそれらのゲノムの再構築にも成功し、未知アーキアの新たな生物機能ならびに物質循環プロセスに果たす役割の一端を明らかにするなど、大きな成果を挙げてきている。特に、今年度は、深部地下環境から石炭から直接メタンを生成する新規メタン生成アーキアを発見し、著名な国際科学誌に論文発表するなど大きな成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに集積培養化に成功した未知アーキア・未知バクテリアの純粋分離を目指すとともに、ゲノム情報から推定された新生物代謝機能について、集積培養物もしくは純粋分離株を用いて実証実験を精力的に展開してゆきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は研究が大きく進展し、各種陸域地下圏環境試料から想定以上に多くの系統学的に新規性が高く機能的にもユニークな未知アーキア、未知バクテリアの集積培養化に成功しており、実験・解析にかかる経費の増額が見込まれるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
陸域地下圏環境から集積培養化に成功した複数のサンプルを対象に、環境ゲノム解析を実施するためのシークエンス解析・遺伝子解析を行うとともに、最終的には純粋分離を実現するために各種培養実験にかかる経費として使用予定である。また本研究課題を迅速かつ効率的に実施・展開するため、研究員1名の雇用費として使用予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Genomic composition and dynamics among Methanomicrobiales predict adaptation to contrasting environments2016
Author(s)
Patrick Browne, Hideyuki Tamaki, Nikos Kyrpides, Tanja Woyke, Lynne Goodwin, Hiroyuki Imachi, Suzanna Brauer, Joseph Yavitt, Wen-Tso Liu, Stephen H Zinder, and Cadillo-Quiroz H
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Journal Title
The ISME J
Volume: 11
Pages: 87-99
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Lentimicrobium saccharophilum gen. nov., sp. nov., a strictly anaerobic bacterium representing a new family in the phylum Bacteroidetes, and proposal of Lentimicrobiaceae fam. nov.2016
Author(s)
Sun L, Toyonaga M, Ohashi A, Tourlousse DM, Matsuura N, Tourlousse DM, Meng XY, Tamaki H, Hanada S, Cruz R, Yamaguchi T, Sekiguchi Y
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Journal Title
Int. J. Syst. Evol. Microbiol.
Volume: 66
Pages: 2635-2642
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Isolation and characterization of Flexilinea flocculi gen. nov., sp. nov., a filamentous anaerobic bacterium belonging to the class Anaerolineae in the phylum Chloroflexi2016
Author(s)
Sun L, Toyonaga M, Ohashi A, Matsuura N, Tourlousse DM, Meng XY, Tamaki H, Hanada S, Cruz R, Yamaguchi T, Sekiguchi Y
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Journal Title
Int. J. Syst. Evol. Microbiol.
Volume: 66
Pages: 988-996
DOI
Peer Reviewed
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