2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26711011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 多喜 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70552991)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / 脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジー必須因子Atg分子の欠損細胞では、オートファゴソームが形成されず、初期構造体や、オートファゴソーム前駆体などの、中間膜構造体が蓄積する。まず、APEXタグを用いた電子顕微鏡解析を行い、初期膜構造体、オートファゴソームの基質、Atg分子、リン脂質合成系酵素の空間的位置関係を、超高解像度レベルで明らかにした。初期構造体が蓄積するサイトには、小胞体様の膜構造、Vesicle状の膜構造、凝集体が観察され、各分子のAPEX依存的なシグナルはそれぞれ特徴的な分布を示した。 また、Atg欠損細胞から、オートファゴソーム中間膜構造体の生化学的単離精製に成功した。興味深いことに、オートファゴソーム膜は、初期構造体、隔離膜、閉じたオートファゴソーム膜と成熟していくにつれ、密度が減少し、軽い画分に移行することが分かった。恐らく、オートファゴソーム膜が成熟するにつれ、膜が伸長していくことを反映しているものと考えられる。さらに、中間膜構造体が蓄積した画分から、magnetic beadsを用いて高純度に膜構造体を精製する系の構築も完了し、ただちにプロテオミクス解析、リピドミクス解析を行える準備が整った。 局在スクリーニング解析もほぼ完了し、オートファジーに関与する可能性のある脂質輸送タンパク質の候補分子を数分子同定した。すでに以前の解析で単離していた、リン脂質合成系酵素の機能解析も順調に進行している。これまでにCRISPR-Cas9システムを利用し、一つのリン脂質合成系酵素のinducibleなKO細胞の樹立に成功し、現在、オートファジー機能解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、形態学的な解析と局在スクリーニング解析を予定していたが、これらの解析はほぼ完了した。そこで次年度以降に予定していた、オートファゴソーム中間膜構造体の生化学的単離精製系の構築に取り組み、こちらも順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、単離精製したプロテオミクス解析、リピドミクス解析を進める。また、新しく単離した候補分子についても、詳細な解析を行い、オートファジーとの関連を探る。リン脂質合成系酵素に関しては、他の酵素に関しても同様にinducible KO細胞の樹立に取り組み、オートファジー機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
スクリーニング局在解析により単離された候補分子が、想定よりも少なかったので、機能解析などにかかる経費が当初予定していたよりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プロテオミクス解析などにより同定されるオートファジー関連分子の機能解析にかかる経費として請求する。また、機能解析を行う際の、実験補助業務を依頼する人件費としても使用を予定している。
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