2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26711015
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 伸 岡山大学, その他部局等, 准教授 (90512004)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 四肢再生 / 過剰肢付加モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
生類の四肢再生現象の開始を支配する神経因子の同定と、その因子を利用した遺伝子改変動物の作成を研究の目標に掲げる。H26年度は上記の目的の内、神経物質の同定を行う事に主眼を置いた。有尾両生類(当研究室ではメキシコサラマンダーを用いる)は四肢切断後、神経の存在依存的に四肢の再生を開始することができることが古くから知られている。神経から放出される物質が四肢再生の開始を支配している事は190年以上前につきとめられた実験結果である。しかし、その後神経因子の実体を明らかにすることはできなかった。私たちの研究チームはこの問題に取りくみ、着実な成果を上げてきた。本研究提案内において、研究は予想以上の進行度で進み、再生誘導因子の同定にまでこぎつけることができた。この成果はすでに論文として発表しており、大きな反響を得ている。今後はこの因子を使用して遺伝子改変動物の作成に取り組むが、こちらはなかなか思うように進行していない。と言うのも、実験動物の生育が悪く水質の良しあしのコントロールができていないことに起因すると思われる。これは大学内部にあるタンクの調整如何によるものだと推測されているが、今が完全な原因の特定には至っていない。親個体の安定を確保できないことが遺伝子改変動物の作成に大きな障壁となっており、今後一年は非常に地味な作業となるが動物の生育環境の安定に時間を割くことが見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再生因子の同定は完了した。上記のとおり、実験動物の生育環境が大学の貯水槽の水質悪化に起因すると思われる原因によって非常に大きなダメージを受けた。親個体の維持管理を再起動する必要が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
親個体の維持管理を徹底的にする。安定的に受精卵を得られるようになれば、その他実験自体に必要なすべてのマテリアルは完全にそろっており、円滑な進捗を見込めると期待できる。
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Causes of Carryover |
動物の体調不良による実験不能状態が予想以上に長かったことと、冬季の水質悪化に伴う実験動物の確保に使用をきたしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画自体は滞りなく進んでいるので、計画の一部を前後しながら推進する。特段トータルの計画に支障はない。
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Research Products
(2 results)