2016 Fiscal Year Annual Research Report
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26711015
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 伸 岡山大学, その他部局等, 准教授 (90512004)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 四肢再生 / イモリ / メキシコサラマンダー / 器官再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は計画上の最終年度であったため、論文の執筆を主に遂行した。同定した器官再生誘導因子を他種と他機関への応用を主に行った。特に、メキシコサラマンダーの尾部における器官再生誘導に成功したことは、器官普遍的な再生誘導因子の同定と言った観点から非常に大きい成果であった。また、鰓においても同様の効果を認めることができることを確認している。これらの効果は別種であるPleuredeles waltl(イベリアトゲイモリ)でも確認できている。よって、複数種の有尾両生類において、且つ複数の器官においてFGF2+FGF8+BMP7が器官再生反応を誘導できるという事が示唆される。これらの研究成果の大部分は論文としてまとめた。当研究計画は当初遺伝子組み換え生物の創出問うった目的を含有していた。しかし、計画していたVectorの熱ショックPromoterが初期胚において発現のリークがあるなど予想していなかった問題があり、結果初期胚期での致死となるなど問題が生じた。組み換え生物から取得する計画だった皮膚線維芽細胞をm通常のイモリから取得し、培養液に添加するタンパク質を均質化することで最終目的を変更することなく実験を遂行することを計画した。培養条件などは鳥取大学の林利憲博士から聞いたものを当研究室用に再構築し、使用した。培養細胞自体は非常に良い条件で継代可能である。この培養条件を設定する際に、多数の有尾両生類を使用したが、時期的な問題と病気などの蔓延によって一時期生体材料の調達に著しい困難をきたした。この事に起因して一部実験計画の延長を申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非常にいびつな状態である。一部は計画よりも進展し、大きな発展を得ているが、一部では動物の状況から遅延を期している。遅延部に関しては動物の病気による生体材料の確保に困難があったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物の入手が可能になり次第、四肢・しっぽ以外の器官再生に取り掛かる。また、線維芽細胞の培養条件の検討を増殖活性の測定などを行い、最適な培養条件の検討を加える。培養条件としては、L15を中心にした培養液を浸透圧調製したもので一時的には好成績を得ている。今後はDMEMなどの培地を検討してゆきたい。また、培養液の選定が終わったのちに神経因子を中心に栓が細胞への影響を検証する。この際には、皮膚由来の線維芽細胞が軟骨形成能を獲得するかどうかと言う観点で研究を展開してゆく。軟骨形成能の検証には当研究室が確立した軟骨検定法に則り行う。この検証のためにGFPの遺伝子組み換えイモリを鳥取大学の林博士らより入手し、GFPの線維芽細胞を得ておくことを計画する。GFP個体より作成した線維芽細胞を野生型の個体に埋め込むことで、培養細胞が軟骨形成能を付与したかどうかを検定できる。In vitroでの軟骨分化能の検定は、通常の肢芽細胞の培養でも成功していない為別件として研究する必要があるだろう。
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Causes of Carryover |
実験動物の体調不良と飼育設備の変更に伴う実験動物の損失による研究計画の変更が起こったことに起因する。本研究室が所属する機構の改組によって場所の移動を行う必要が起こり、そのに伴い飼育設備を移動することになった。移動によるストレスと水質変化のため親ウーパールーパーが多数死んでしまった。最低限の頭数は失わずに済んだが、新たな親個体を確保するのに時間を費やしてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画としては前項に挙げた次年度計画に沿って進める。すべて消耗品で計上する
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Research Products
(3 results)