2014 Fiscal Year Annual Research Report
イネの農業形質を制御するヘテロ３量体Ｇタンパク質のサブユニット間相互作用の解析
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26712001
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| Research Institution | Fukui Prefectural University |
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Principal Investigator |
三浦 孝太郎 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (70571561)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | ヘテロ３量体Gタンパク質 / イネ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、イネの３量体Ｇタンパク質サブユニット（α、β、γの3つのサブユニット）の相互作用のメカニズムを、γサブユニットに焦点を当て、遺伝学的、生化学的に明らかにすることを目的としている。この目的を達成するために、26年度は以下の研究を実施した。
１．各γサブユニット遺伝子変異体の遺伝学的解析…αサブユニット欠損変異体d1と、γ３サブユニット欠損変異体rgg3/gs3、γ３サブユニット部分欠損変異体Rgg3/minute、γ４サブユニット部分欠損変異体Rgg4/dep1/dn1の４変異体を各変異体と交配し、F1個体を得た。さらに、世代促進を行い、F1個体よりF2種子を得た。
２．形質転換による各γサブユニット遺伝子の過剰発現及び発現抑制個体の作出…変異体が得られていないγ１、γ２、γ５サブユニットの発現抑制系統の作出に取り組んだ。その結果、γ１、γ２遺伝子の発現抑制個体T0世代を得ることができ、γ１遺伝子の発現抑制では根の形成阻害と草丈の伸長阻害が生じ、γ２遺伝子の発現抑制では節とラミナジョイントの褐変化が見られた。これらの表現型は、βサブユニット遺伝子の発現抑制個体の表現型を部分的に説明した。
３．酵母Twoハイブリッド法及びThreeハイブリッド法による、RGA1、RGB1、RGG1～5タンパクの相互作用部位の決定…26年度は、、RGB1に対して、RGG1-5がそれぞれ相互作用できるかを検証した。その結果、RGG1、RGG2、RGG3、RGG4の４つのサブユニットがRGB1と相互作用することを見出した。
４．RGG1～5タンパク質の特異的抗体を用いたタンパク質局在実験…今年度は、RGG1～5タンパク質のGST-結合タンパクを大腸菌で発現させ、精製し、抗体発注を行った。現在、これらの抗体の特異性を調査している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で設定している4つの小課題について、以下の様に評価した。
１．各γサブユニット遺伝子変異体の遺伝学的解析…26年度に、予定通りに４変異体の交配による二重変異体を作成し、F2種子を得ることができた。この事から順調に進展していると評価した。
２．形質転換による各γサブユニット遺伝子の過剰発現及び発現抑制個体の作出…本小課題では、γ1、γ2、γ５の発現抑制個体を作成し、遺伝子機能を推定することを目的としているが、26年度にγ１、γ２いついて、興味深い表現型を見出し、想定以上の進展があったと評価している。
３．酵母Twoハイブリッド法及びThreeハイブリッド法による、RGA1、RGB1、RGG1～5タンパクの相互作用部位の決定…26年度には、RGB1に対して、RGG1-5がそれぞれ相互作用できるかを検証し終えた。この成果について、順調に進展していると評価できる。
４．RGG1～5タンパク質の特異的抗体を用いたタンパク質局在実験…解析に必要な抗体発注が完了し、順調に進展していると評価できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究で設定している4つの小課題について、以下の様に今後の方策を設定した。
１．各γサブユニット遺伝子変異体の遺伝学的解析…26年度に作出した二重変異体の表現型を精査し、各サブユニットの遺伝的上下関係を決定する。また、これらの二重変異体同士の交配を行う事で、三重変異体の作出を進める。
２．形質転換による各γサブユニット遺伝子の過剰発現及び発現抑制個体の作出…26年度に作出したγ１、γ２遺伝子の発現抑制系統の後代を用いた再現性を確認することでこれらの遺伝子の機能を推定する。また、γ５遺伝子の発現抑制個体の作成を完了し、全てのγ遺伝子の機能の推定を完了する。
３．酵母Twoハイブリッド法及びThreeハイブリッド法による、RGA1、RGB1、RGG1～5タンパクの相互作用部位の決定…26年度には、RGB1とRGG1-5の組み合わせの検証が完了した。今後は、RGG1-5のRGB1との相互作用２必要なドメインの解析と、RGA1とRGB1、RGG1-5のthreeハイブリッドを実施して３量体形成に必要なドメインの決定を行う。
４．RGG1～5タンパク質の特異的抗体を用いたタンパク質局在実験…抗体の特異性を確認し、各タンパク質の局在を解析すると同時に、各変異体における各タンパク質の蓄積量を比較することで各タンパク質の機能を推定する。
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| Causes of Carryover |
予定していた調査補助のアルバイト人数を確保しきれなかったため、人件費・謝金および調査に必要な物品費に次年度使用額が生じた。
論文投稿に関連する費用を見越してその他に400,OOO円を計上したが、データの収集に時間がかかり、投稿に至らなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に調査補助のアルバイト雇用による人件費・謝金の支出及びこの調査に係る物品費を執行する。また、この調査によりデータ収集を完了し、その他分の論文投稿を完了する。
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Research Products
(5 results)
